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2020/10/13
アスタリスクとダガー
筆者:大田忍

アスタリスクとは

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(左から書体は、Adobe Garamond、Helvetica Neue、Trajan)

アスタリスクは、書体の種類によって本数が変わります。セリフ体では、6本、サンセリフ体では5本。

アスタリスクは、よく注釈でみかけますが、注釈が複数になったときは、*1、*2、*3……と数字を付記して使用されています。が、むかしは数字ではなく、使われる順にマークが変わっていきました。

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左から、アスタリスク、ダガー、ダブルダガー、セクション、パラグラフと呼びます。この順番で使っていました。わたしたち日本人はアスタリスク以外は、ほとんど馴染みがないマーク(約物)です。

このアスタリスクですが、星に見えますよね。そんなわけで、このマークは、誕生を意味する記号としても使われます。この記号の誕生は古く、シュメール文明から使われており、少なくとも5,000年以上前から使われていました。

アスタリスクに似た(というかほとんど出自は同じ)ものとして、生命の星(Star of Life)というものがあります。 欧米の救急車に示されていることが多いマークです。

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医療を意味する生命の星(Star of Life)

中になんか杖と蛇がいますね。これはアスクレピオスの杖と呼ばれているものです。アスクレピオスとは、ギリシア神話に出てくる名医です。こちらがアスクレピオスさん。

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アスクレーピオスの座像
Nina Aldin Thune – The Norwegian (bokmål) Wikipedia, Bilde:Asklepios.3.jpg, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=762534による

アスクレピオスの杖は、世界保健機関、WHO (World Health Organization)のロゴ・シンボルマークにも入っています。

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誕生を意味する「アスタリスク」

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話をアスタリスクに戻すとアスタリスクは「誕生」を意味するのでこのように使われます。「ジョセフ・モーリス・ラヴェル、1875年3月7日誕生、1937年12月28日死去」という意味になります。死去のほうに使われている「†」という記号、これを「ダガー(短剣)」と呼びます。

 

死を意味するダガー

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短剣を意味するdaggerの名で呼ばれるこのマークですが、ご覧のようにキリスト教におけるお墓(十字)にも見えます。(影は演出でつけています。)そこで、死去した日を意味したり、死亡している人を示す記号としても使われていました。最近はあまり使われなくなりました。ダガーは、オベリスク(obelisk)とも呼ばれます。オベリスクとは、古代エジプトで作られていた記念碑。欧米にいくと時々見かけます。

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イタリア、ローマにあるナヴォーナ広場のオベリスク
CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=120160

 

入力の仕方

Macでの入力の仕方は以下の通り。

* = shift + :

†  = option  + t

‡  = option + shift + 7

§ = option + 6

¶ = option  + 7

 

まとめ

日本にマザーズ上場企業に、Sun Asteriskという企業があります。さしずめ「太陽と星」という意味になるのではないでしょうか。企業ビジョンとしては、アスタリスクについては言及せず、「イノベーターという種を照らし、育む存在としての太陽」という意味であることが説明されています。

この企業のロゴが、これです。

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(画像引用:Sun Asterisk企業ウェブサイト

タガーを目にすることはあまりありませんが、書物や資料なのでたびたび目にするアスタリスクに、誕生や生命の星という意味が含まれていることを知ると、これを使用したマークやロゴの真意を理解できて、ちょっと楽しくなるかもしれません。かなりマニアックな知識になるため、ビジネスや人生に役立つとはまでは言えないかもですが、わたしはこういう象形文字由来のローマ字が好きで、掘り下げては、いろいろな意味があることや歴史の深さをしって驚くことがあり、それが楽しいです。

こんな知識を調べるのに良い本は、これらの本です。1冊目以外、英語です。