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2021/06/02
人はついつい偉い人の言うことをきいてしまう「権威バイアス」
筆者:-

ナチスを説明する実験

あなたはある大学の心理学の実験に参加します。参加者は先生役と生徒役にわかれることになっており、あなたは先生役をつとめることになりました。実験の内容は、先生役は生徒役に問題を出し、もし答えを間違えたら、罰として電気ショックを与えるというもの。

どういうわけか生徒役の参加者は問題を何度も間違えます。そのたびに先生役のあなたは、相手に電気ショックを与えなければなりません。電気ショックの強度は、30段階あり、答えを間違えるたびに、一段階上のショックを与えることになっています。強度が上がるにしたがって、生徒役の参加者は、苦痛を訴えてます。しかし指示を出す実験の担当者は、あなたに電気ショックを与え続けるよう指示をしてきます。

これは、アメリカ合衆国、イェール大学の心理学者、スタンリー・ミルグラム(Stanley Milgram)が実際に行った「権威への服従」と呼ばれる実験です。この実験の結果は、40名中25名(62.5%)もの参加者が、指示通りに電気ショックを最後まで与え続けました。生徒役の参加者が悶え苦しむ姿を見ているのにも関わらず。

人にはこのように、権威者の指示に自分の倫理観や判断より優先して従ってしまう傾向を持っています。これを権威バイアスといいます。

権威バイアス

権威バイアス(Authority bias)とは、

内容とは無関係でも、権威者の意見を評価し、その意見に影響される傾向

です。認知バイアスの1つ。ミルグラムは、この権威バイアスを「正式な権威を持つ人物によって検証された情報は正しく、したがって人はその人物からの指示に従うほうが良いという誤った信念を強く持つこと」と定義しています。

権威バイアスの性差

女性のほうが権威バイアスの影響を強く受ける傾向があります(※1、※2、※3)。

なぜ権威バイアスが発生するのか

進化的な理由として人は社会的な生き物なので、ヒエラルキーの上位、つまり支配階層には従順である特性を持っています。また社会的にも権威に対して従順な傾向は、社会の機能がスムーズになり、利益が社会全体に対して発生します。つまり「権威は強い」というシステムは、社会という組織を潤滑に進めさせるということが発生の源です。

応用・対処

権威バイアスは、さまざまなシーンで利用されています。たとえば「特定保健用食品」など。専門家も認める!というコピーは、効果を示すための広告に白衣を着た人物が登場するなど。そこに権威バイアスの利用を見て取ることでバイアスを緩和できるかもしれません。さらにエビデンスは自分で確認すると良いでしょう。

認知バイアス

認知バイアスとは進化の過程で得た武器のバグの部分。紹介した認知バイアスは、スズキアキラの「認知バイアス大全」にまとめていきます。

関連した認知バイアス

画像1

•バンドワゴン効果 (Bandwagon effect)
ある選択が多数に受け入れられている、流行しているという情報が流れることで、その選択への支持が一層強くなる効果

確証バイアス(Confirmation bias)
仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向

•ハロー効果
ある対象を評価をする時に顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象

 

参照

※1:Inter-Firm Managerial Social Ties and Strategic Alliances Formation: A Multiplexity Perspective

※2:“The Invisible Gender in the Corporate World: A Case Study of the Business Daily Newspaper in Kenya”.

※3: “Fake news – Does perception matter more than the truth?”. 

※2:権威バイアス

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