(引用:Cutipol Official Website “Goa”)
Cutipolは、1963年創業のポルトガルのカトラリーブランド。
カトラリーぼCutにポルトガルのPolをあわせて名付けられたのがCutipolの由来。
歴史
ポルトガルのギマラインス(Guimaraes)が、ドイツのゾーリンゲン地方やフランスのティエール地方のように川が豊富に流れていてカトラリーづくりで有名です。
当初は、カトラリー=フォークでした。切るのもフォーク、飲むのは器に口をつけて飲んでいました。フランス料理の影響でスープをスプーンで飲むようになったそうです。
現在のCutipol代表は、デイヴィッド・リベイロ氏。彼の祖父からカトラリーづくりをはじめています。リベイロ氏の父である1963年になり、José Ribeiro(ホセ・リベイロ)氏が1963年4月1日にCutipolを創業します。
José Ribeiro氏と妻のAlice Marques氏
(引用:Cutipol Official website “about”)
デイヴィッド氏の母であるアリス・マルケス氏が、Cutipolにモダンさを取り入れました。ポルトガルで初めてモダンなカトラリーを作ったのも、金のメッキを始めたのもアリス・マルケス氏でした。
アリス氏は、毎日工場に通い、スープやクッキーを従業員に振る舞いつながら、製品のクオリティの工場に砕心していました。9人も子供がいたのでアリス氏は愛情を込めて「チキンマザー」と呼ばれていたそうです。
現在も兄弟たちでCutipolは経営されています。ディヴィッドの兄のジュゼはデザイナーとしてCutipolのショールームを設計し、姉のポーラが財務、サラはパッケージデザインから在庫管理を担い、ヴァニアが店舗を経営しています。
デイヴィッドの兄のジュゼ氏がデザインしたCutipolのショールーム
(引用:Cutipol Official website “about”)
(画像はCutipol Japanより引用しています)
3本セット(ディナー用)
5,610円(税込)@Cutipol クチポール 公認オンラインショップ Soluno
Goaに似ていますが、スプーンやフォークが口に入れやすい形になっています。2019年からデビューした新作。
3本セット(ディナー用)
5,390円(税込)@Cutipol クチポール 公認オンラインショップ Soluno
月の光をイメージしたMoonシリーズ。
3本セット(ディナー用)
9,460円(税込)@Cutipol クチポール 公認オンラインショップ Soluno
Dunaは砂丘という意味
マットシルバー3本セット(ディナー用)※写真とリンク先と価格は異なります。
4,730円(税込)@Cutipol クチポール 公認オンラインショップ Soluno
子ども用
ブラック3本セット(ディナー用)
4,840円(税込)@Cutipol クチポール 公認オンラインショップ Soluno
こちらで直接購入kできます。
(Quoted: Behance)
ロゴのベースになっているのは、いわゆるモダンローマンというカテゴリーに入るセリフ体。
セリフ体は年代順に
ヴェネチアン・ローマン
オールド・ローマン
トランジショナル・ローマン
モダン・ローマン
というカテゴリーがあります。
モダンローマンは、18世紀後半にフランスやイタリアで開花したデザイン。文字の端にあるセリフ(ひげのような部分)が、ヘアラインといわれるように直線的なのが特徴。
セリフ体は、時代とともに印刷技術が発達し、細い線もつかえるようになってきて、文字のコントラストが少しずつ強くなっていきます。
銅版刷りはさらに細い書体が可能になりますが、活字という手彫りになっていきます。
モダンローマンは、「洗練された」そして文字通り「モダン」な印象を与える種類の書体です。
Cutipolのロゴは、オリジナルですが、Bodoniが近い書体です。
デザイナー:ジャンバティスタ・ボドニ(Giambattista Bodoni)、モリス・フュラー・ベントン(Morris Fuller Benton)
デザイン年:2000年(デジタル化された)、モリス・フュラー・ベントンによるデザインは20世紀初頭
もともとはジャンバティスタ・ボドニ(Giambattista Bodoni)という18世紀後半から19世紀に初頭を生きたイタリア、パルマの書体デザイナーがデザインした書体。それをモリス・フュラー・ベントン(Morris Fuller Benton)が見出し用作った活字書体をベースにしてデジタル化したもの。Bodoniという名が付きながら、ジャンバティスタ・ボドニの書体からはかなり遠いものになっています。
近いのはITC Bodoni。文字の大きさに合わせてデザインを変えているところなど忠実に再現しています。
VogueやELLEなどのロゴに使われているのもモダンローマン。
ファッションというものの本質が「つねに洗練されていくもの」であることを体現するにはもってこいの書体デザインなわけです。
なので、Cutipolも「歴史ある洗練さが根底にある」というブランドを体現させるためにモダンローマンを使用しているのですが、リブランドした際に書体のターミナルなどを使って全体的にシャープな印象なるに仕上げています。
イタリックを使っていますが、それはカトラリーは「動きのあるもの」だということが背景にあります。よってPORTUGALはイタリックではありません。ポルトガルは動かないので。ただしここの部分、以前はオールドローマンを使っていましたが、リブランドする際に幾何学的なサンセリフに変更しています。歴史的なブランドながら現代に合わせて常にアップデートしている意図を表す際によくセリフとサンセリフの両方をロゴに使用します。
PORTUGALに使われている書体はは、Andisという書体が近いですが、幾何学的なので、未来的、合理的、数理的な印象を与えます。洗練されながらもカッティング・エッジ(最新)という意識がロゴに込められているのがわかります。
リブランドされるまえとの対比は、こちらのサイトが参考になりました。