このブログでは、年間で200冊以上本を読んでいく中で「この本最高だな!」と思うものを随時に追加したり、編集していったりします。
そして「何のために必要な本か」という目的は、ブランディングを超えて「楽しく生きていくため」に設定しています。
更新日 2019年12月16日
科学・歴史
生活やビジネスにどうやくにたつのかはあなた次第な素材として知識。
ユヴァル・ノア・ハラリ (著), 柴田裕之 (翻訳)
この本のあとの『ホモデウス』や『21Lessons for 21th centuy』は、未来と今について書かれたもので、それよりは歴史学者としての真骨頂を発揮したこの本が秀逸。
ファクトフルネス系(思い込みと実際はずいぶんと違いっていたことを明らかにする系)の先駆けで、原題が「Sapiens: A brief History of Humankind」(「:」英語でこのコロンは「主題: 副題」のように「言い換えに」に使います)が示すように、人間のオリジンと経緯を簡単にまとめてくれいます(とは言え、ちょう分厚い)。
どうしてこの本が必読かというと、わたしたちがどういう生き物かぼんやりでも知っておくことがどんな活動をするうえにでも必ず役に立つから。それもぼんやりと役に立つ。
具体的に言うと「自然に任せるとわたしたち生き物は幸福より生き物としての繁栄を選ぶようにできている」ということ。
狩猟採集生活のほうが、農耕生活より、たぶん人は幸福だった。ではなぜ農耕生活に全体的には移行したのかというと「繁栄するから」。つまり人口が増えるから。
その他、テレビやニュースをみているとテロや戦争や殺人におののくことが多いけれど、暴力で死ぬ人の数より自殺で死ぬ人の数のほうがずっと多いことを知ります。そして自殺よりもずっと糖尿病で死ぬ人の数のほうが多い。「殺人よりも自分と砂糖に気をつけろ!」とも言えて、それは本当に馬鹿にできない。
一度この「わたしたちの自然な営み(森での生活ではなく、都市で行う普通の営み)は、自然と人を幸福に導いたりしないぞ」ということはがっつり理解しておいたほうがよく、その基礎知識をがっつり叩き込んでくれるのがこの本です。
わたしたちは、この本で、謙虚さと強かさを得ることができると思います。謙虚さと「自分を外側から見つめる視点」であり、強かさは「遺伝子にやり込められないで人生を楽しむための知恵」。
『アイデアのつくり方』
ジェームス・ウェブ・ヤング
ある広告代理店では入社すると全員に渡される本だとか。
この本に書かれれていることをばりばり実践されていたのが孫正義でした。
その他、梅棹忠夫さんの『知的財産の技術』も近いし、あっちのほうがわかりやすいので別に紹介します。
この本のおもしろいところは、すっっごく薄い。実質30頁くらいじゃないかな。全文とか訳者のあとがきとか省くと。
そして、もうひとつおもしろいのが、すごくわかりにくいこと 。
翻訳も、そしておそらく原文も少々わかりにくい。だから英語でも読んだほうがいいかも。
英語版だとKindleで358円ですもの。
James Young (著)
ただわかりにくいが故に自分でまとめたくなるってのが利点です。
自分で図にしたり、書き出したりしていると理解が深まります。
アイデア出しに困らなくなるならそれくらいの投資をしても良いでしょう。
ここで書かれているのは、ようはイノベーションの原義と同じで
「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせである」 ということです。
そのための方法の5つのプロセスも簡単にかかれています。
簡単なのに実践が大変なのでやったもんがち。
ライフハック
生活から仕事まで使える「実用的な」知見をダイレクトに得られる系
サードドア: 精神的資産のふやし方
アレックス バナヤン (著), 大田黒 奉之 (翻訳)
超絶に面白い。赤裸々なトライアル。人生に迷った学生が、テレビの企画に申し込んで獲得したヨットを売って得た金で本を買いあさり、会って指南を仰ぎたい有名人たち(ビル・ゲイツ、スティーブン・スピルバーグ、レディ・ガガ、ザッポスの社長など)に会いまくって、聴いた話を本にする!ってトライして実際に本になった本。人生が確実に変わる。
エビデンスが好きな人や科学者は、知っている不都合な真実があり、それは「結婚と恋愛は、本来長続きしないようにできている」ということです。
恋愛を研究しているヘレン・E・フィッシャーというアメリカの人類学者曰く「愛は四年で終わる」。
ヘレン・フィッシャー
脳や遺伝子が作るそういった傾向をうまくハッキングして、幸せに生きていこう!という工夫が、すごく分かりやすく紹介されています。
黒川伊保子は、天才レベルの表現力の高さを持っています。とっつき安さで薄れそうになりますが、すごい。会ったことないですが、人としてだけでなく、女性としても魅力的なはずと踏んでいます。
文学
『アイデアの作り方』でジェームス・ヤング氏が紹介していますが、アイデアとは、「既存のものの掛け合わせ」です。そして掛け合わせるとき必要なのが、一見関係なさそうなジャンルの知識。スティーブ・ジョブスは、パソコンを作るときに、大学を辞めた後も勝手に受講して感銘を受けたカリグラフィーを絶対的に重視しました。そうしてマッキントッシュには、初期の頃から複数のフォントが組み込まれました。
ヤング氏とほぼ同じことを言っているのが、梅棹忠夫氏の『知的生産の技術』。
それを現代版にアップデートしたのが山口周さんの『読書を仕事につなげる技術』
こんなふうに「一般的な知識」は、イノベーション(「新しい結合」の意味)に不可欠。そして一般的な知識は、文学やアートなどふわっとしたものに多く含まれています。ビジネス書しか読まない人に、イノベーションを形成するのは難しいかもしれません。というわけで必読的な文学。
シェイクスピアはだいたい抑えておこう
ウイリアム・シェイクスピア
薄いから。面白いから。そんなに辛くないから。
疲れたら、阿刀田高さんの解説で「ええ!そうだったんだ」と感じて息抜き。
『シェイクスピアを楽しむために』
阿刀田高
あとオリエンタルラジオの中田敦彦さんもyoutubeでシェイクスピア作品を解説していて面白いです。
VIDEO
余力があると英語でも読むとさらに面白いですが、こちらは少々つらいです。
Othello
Macbeth
※わたしはハムレットしか英語で読んでません。すみません。
「これも読んでおいたほうが良いなーと強く思う」本
タイトルでは「子ども」ってなってますけど、これにはバリバリオトナも含まれてまっせ。ご存知の通り、わたしたち現代の日本人はぜんぜん本を読みません。2014年の産経ニュースの記事によれば、文化庁の調査で、1ヶ月に1冊も本を読ない割合が47.5%でした。
引用:
文化庁の「国語に関する世論調査」は、全国の16歳以上の男女3000人を対象に実施。電子書籍を含む読書量の変化などについて今年3月にアンケートを行い、集まった回答を半年かけて分析した。
それによると、マンガや雑誌を除く1カ月の読書量は、「1、2冊」と回答したのが34・5%、「3、4冊」は10・9%、「5、6冊」は3・4%、「7冊以上」が3・6%だったのに対し、「読まない」との回答が最も多く、47・5%に上った。
そりゃ読解力も表現力もなくなるわい、となるに決まっているのですが、話は「嘆かわしい」で済まないんです。AI技術(ほんとうのAIは完成しないと著者は述べています)ができなくて人ができる職能が「読解力」だから。それがないなら「AI技術以下」になっちゃうよ、と。