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2021/03/07
誰もが背中にいたずらの張り紙を貼られている 「バイアスの盲点」
筆者:

「人の悪口を言う人って嫌よね」

という言葉や考え。自分やまわりの人の口や頭に現れることがありませんか。じつはここに矛盾が含まれています。これを言っている人は、人の悪口を言う人の悪口を言っているからです。

これはほとんど「バイアスの盲点」です。

バイアスの盲点とは

バイアスの盲点(Bias blind spot)とは

自分には偏見が少ないという偏見

です。

「あ、あれは確証バイアスに陥っちゃっているよねー。あ、それってプロスペクト理論で説明できるよね」と思っているあなた(わたし)は、自分では気づいてないバイアスの存在をないものとして考えてしまいがち。他人のバイアスには気づくんですが、自分のバイアスには気づかない。教訓みたいなこれも認知バイアスの1つです。

認知バイアスとは

認知バイアスとは、進化において獲得した「なんとなくこうしておいたほうが良さそう」という行動傾向が、ケースによっては合理的ではない行動を選択してしまう偏りです。わたしが紹介している認知バイアスはこちらにまとめています。

論拠

バイアスの盲点という言葉は、プリンストン大学心理学部の社会心理学者であるエミリー・プロニン(Emily Pronin)氏が、同僚のダニエル・リン(Daniel Lin)とリー・ロス(Lee Ross)とともに作成したものです。(※1)彼女らの研究は、600人以上のアメリカ人を対象とした調査で、85%の参加者たちが自分のことを「偏見が少ない」と評価しました。(※2)

頭の中に張り紙をしておきたい「ブルータス、お前もだ」と

認知バイアスの研究家たちや人間の意思決定の構造の研究者たちは、おうおうにして自分たちが騙されやすいことから研究を始めたりします。たとえば『影響力の武器』のロバート・チャルディーニ氏とか。またはわかっていても、わたしたちは認知バイアスから逃れられないということも学びます。『かくて行動経済学は生まれり』の冒頭で、アンカリングという認知バイアスを知ってなお被験者たちはその影響力から逃れられないでいる様子が描写されています。

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メンタリストDaiGoが大きな影響を受けたとも公言している有名な著書。

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『マネーボール』の著者が行動経済学者のダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキーにフォーカスした著書。

というわけで、バイアスを研究する人、バイアスというものを知る人はみな頭の中に、なんなら実際に壁に「わたしも認知バイアスをばっちり持っている」と書いた紙を貼っておくのが望ましいようです。忘れちゃうから。知れば知るほど。

応用・対処

ちょっと量子力学みたいな話になってきますが、バイアスの盲点というのは、文字通り自分の目に見えないのがやっかいなんです。見えないものをあると想定しないといけない。バイアスの盲点は、シンプルにみえてやっかいな瑕疵なんです。

ではどうすればよいのかと言うと、

議論する相手を持つ

というのが有効になってきます。そしてこれも難しいんですが、慣れるとまあまあ普通になることなんですが、議論しながら「相手の言うことを一度信じてみる」または「相手の言うことが正しいという世界を想像する」。実は、さきほどちょっと名前が出てきたダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキーという学者たちの関係もそれに近かったんです。自分の得意なこと不得意なことを自覚し合ったもの同志が相手の話をよく聞き、自分の考えと照らし合わせる。ということを繰り返す。これをやっていると盲点が減ります。

恋人どうしでも、伴侶でも、友人でも、上司と部下でも良いのですが、「自分のほうが正しい」「自分のほうが年上で経験も豊富だ」「あたまはわたしのほうが良い」というバイアスを棚に挙げて他者と接するということは自分自身にとってめちゃくちゃ有効に機能する姿勢なんです。

それでも自己を肯定したくなるときには、実力がないひとほど自信を持つ傾向が人にあることを知っておくと頭が冷静になるかもです。

まとめ

これは、バイアスに限らないんですが、自分が熟知していると思っているフィールドについてよく使えます。あなたがデザイナーだとしてデザイナーではない人のデザインについてのアイデアや意見を「素人のそれ」と受け入れるか「そんな視点もあるのか」「それはありかも」と考慮のなかに取り入れるかで、世界も実力も大きくことなってきます。

こんなふうに「自信」や「プライド」ってあんまり役に立たないどころか人生の邪魔になることが多いかもなんです。

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参照

※1:The Bias Blind Spot: Psychological Dynamics and Social Consequences

※2