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2021/02/19
1万円札だと節約するのに千円札が10枚だとお金をどんどん使ってしまう「○○効果」
筆者:大田忍

額面効果

電子マネーが普及しつつある現代でも投資の世界でこの知識は使えます。
もしあなたが何かと節約したいのならば、財布に入れるお札は高額の札に変えていくことをオススメします。なぜなら

人には、額面の大きな紙幣を手にすると節約するのに、小銭を手にすると気軽にお金を使う傾向があるから。

です。これは認知バイアスの一種で「額面効果(Denomination effect)」と言います。日本では広く知られていない認知バイアスで、「小銭効果」とか「通貨効果」とも翻訳されています。

論拠

額面効果の論拠は、ニューヨーク大学の経営大学院(MBA)のスターン・スクールのPriya Raghubir 教授とメリーランド大学のJoydeep Srivastava 教授の2009年発表の論文『額面効果(Denomination Effect)』。彼らは、3つの実験を実施。89人の学生を対象にして25セント硬貨4枚(1ドル)を与えるグループと1ドル札を与える2グループを作り、それぞれにお菓子を買ってもいいという指示をだします。果たして2グループともにお菓子を買うのですが、25セントのグループの63%がお菓子を買ったのに対して、1ドル札のグループは26%がお菓子を買いました。他の2つの実験も状況や対象が違うが額面効果の他の側面を確かめる内容。詳しくは(※1)。

彼らは研究結果からは以下の3つの額面効果の特徴を導き出しています。

(1)金額が同じでも額面が小さい場合のほうが額面が大きい場合よりも使う可能性が高い

(2)支出を管理するとき、小銭よりも額面の大きな紙幣を受け取ることを人は好む

(3)額面効果は、お金を使う不安と関連していて、金銭的な不安を持っている人は額面の大きな金額を使うことを嫌がる

構造

Raghubir 教授らは、額面の大きな紙幣が交換できる可能性が低いことが、この額面効果のもとにあるのではないかと考えました。お店側でのお釣りを考えると1万円札より千円札のほうが喜ばれることが多いですものね(一方でスーパーでは小銭での支払いはちょっと遠慮してほしい気配もありますが。)。

また人は、大きな額面の紙幣を、たとえ同じ金額でも少額の額面の紙幣の集まりより価値が高いと考えがちです。千円札×10枚よりも1万円札×1枚ほうが価値を高いと感じているようです。

他にも2009年の雑誌TIMEのSean Gregory 氏による記事(※2)では、人は大きな額面の紙幣を崩してしまうとすぐにお金を使ってしまいそうで、人は大きな額面の紙幣を持っているときそれを使いたがらないのではないかと推測しています。

応用

額面効果を使って、支出を抑えたいなら財布には常に高額の紙幣をいれておくと良いという工夫が可能です。しかし最近電子マネーが普及してきて、高額紙幣を持つ効果も減ってきているかもしれません。

しかしこの額面効果の知識は、株式投資の場面でも応用可能です。株には1つの株が2つになる株式分割というものがありますが、株式分割されるとより購入しやすくなると考えられています。企業価値は変わっていないのに株式分割されると、購入しやすい株式と認識されるということです。(※3)

「額面効果」は認知バイアスの1つ

認知バイアスとは、人間にある思考や判断の偏りです。わたしたちは、認知バイアスを知らないことで、知らないうちに合理的ではない判断をしたり、記憶を歪めたりしています。しかし「認知バイアス」の知識を獲得すると、こういった人間のバグを回避できるようになります。

認知バイアスは全部で236あります。そのすべてをこちらで一覧にしています。ちなみに「額面効果」は、№26です。

認知バイアスの記事を集めたマガジンはこちら。

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参照

※1

※2

※3