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2020/01/13
【良いモノ・アーカイブ】№31 DURAVIT(デュラビット)_家具
筆者:大田忍

(出典:Duravit official website

200年の歴史を持つドイツのバスルームブランド
東京ステーションホテルの客室にも導入

 

概要

Duravitは、1817年、ドイツの「黒い森」、シュヴァルツヴァルト地域で設立されました。

Duravitの名前は、ラテン語の「耐久性」を意味する「durabilis」とセラミック素材の一般的な呼称である「vitreous china(溶化磁器)」を組み合わせたもの。ヘッドクォーターは、ドイツの小さな街Hornberg。ホルンベルクと読みますが、人口が4,000人ちょっと。ほんとうに小さい。ドイツのこのあたり。

Wikipedia

 

Youtubeにチャンネルあり。

Duravit on Youtube

 

CEOは、フランク・リヒター。リヒター氏いわく、デュラビットの3つのコアコンピタンス(competenceが競争力の意味。)は、独自のデザイン、高品質、快適性と説いています。

同じくドイツを出身としているミニマルデザインの雄、ディーター・ラムスのデザインを彷彿させるシンプルさが、Duravitの製品全般に見られます。ディーター・ラムスは、自らのデザインについて「Less, but better」を語っていますが、その思想に近いものを感じます。ただし、リヒター氏のいうような「快適性」というものを犠牲にしない姿勢も感じます。品質の高さは、ドイツ的な気質としても保証を感じます。

ちなみに従業員は、6,000人以上。世界140カ国以上で事業展開しています。

 

 

世界で初めてのバスルームプロダクトに著名デザイナーを起用

Duravitが大きく差別化を成功させたのが1980m年代後半に、ディーター・ジーガーを起用し、「Giamo(ギアモ)」シリーズを発表してから。それから今度は、フィリップ・スタルクによるStarck 1シリーズを発表。

フィリップ・スタルク ©James Bort

フィリップ・スタルク(出典:JDN ©James Bort

 

 

フィリップ・スタルクがデザインした「Starck 1」。1994年から同じメソッドと職人の手作業によってつくられている ©DURAVIT

Starck 1

 

フィリップ・スタルクがデザインしたStarck 3は、東京ステーションホテルの客室に採用されています。

バスルームはクラシックでありながら「快適性」を追求した落ち着きのあるデザイン。フィリップ・スタルクがデザインした「Starck 3」 のアンダーカウンター洗面ボウルが採用されている

東京ステーションホテル(出典:JDN

 

2017年に発表されたLuv(ルフ)シリーズでは、新素材、強化セラミック「DuraCeram®(デュラセラム)」を使用。高い強度を特性としているこの素材を使って、デザイナーのCecilie Manz(セシリエ・マンツ)が、北欧デザインの潮流を汲んだタイムレスなデザインを実現しています。

薄いリムの楕円型洗面ボウルの内側は有効面積が広く、使いやすい仕様に。洗面ボウルの外側の色はホワイトのほか、サテンマットホワイト、サテングレー、サテンサンドの4色から選べる ©DURAVIT

セシリエ・マンツが最初に描いたは「シンプルなテーブルに置かれた、水で満たされた洗面ボウル」。そのイメージらしくリムが今までのセラミック技術では実現できなかった薄さで、陶器というよりはボウルのイメージに近い。セシリエ・マンツがデザインしたLuvのバスタブには、「DuraSolid A(デュラソリッドエー)」という人造大理石を使用しており、肌触りが心地よいマットな質感を、シンプルなのに温もりのあるデザイン設計になっています。

「Luv」 フリースタンディングタイプのバスタブ。DURAVITオリジナルのミネラルキャスティングでシームレスなデザインを実現 ©DURAVIT

 

セシリエ・マンツ ©DURAVIT

(出典:JDN セシリエ・マンツ ©DURAVIT

 

 

(セシリエ・マンツ)は、デンマーク人のデザイナーでフリッツ・ハンセンやバング&オルフセンでも彼女のデザインのプロダクトが作られています。

セシリエ・マンツさんのデザインの特徴は、「シンプルなのに温もりがある」ところ。各ブランドで出している彼女のデザインのプロダクトは、ブランドを彼女の先の特徴を経てブランドを再構築されているので、その文脈をみるのもまた楽しいです。

詳しくは、彼女のサイトを観るのが良いです。

Cecilie Manz

 

デザインとクオリティを意識した建造物で多く採用されています

さきにあげた東京ステーションホテルに加えて、

ザハ・ハディドが最後にデザインした「オーパス・タワー」では、フィリップ・スタルクのデザインしたバスルームファニチャーが採用されれています。

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Opus Tower
(出典:de zeen)

その他、ハンブルクの複合施設「 Elbphilharmonie Hamburg(エルプフィルハーモニー・ハンブルク)」、ポルシェ、BMWのショールームなどでも。

 

 

歴史

1817年 シュヴァルツヴァルト地域で陶器製造工場を開業

1842年 食事用陶器類へ事業拡大。室内用便器の生産を開始

1912年 食事用陶器類の生産を終了

1956年 陶器から磁器へ生産対象を変更※2

1960年 社名をDuravitに変更

1977年 バスルームファニチャーの生産を開始

1987年 Giamoシリーズを発表

1988年 GmbH(有限会社)からAG(株式会社)に。

1989年 Dellarcoシリーズを発表

1991年 アルザスのCeramique de Bischwillerを100%子会社にする
Bagnellaシリーズを発表

1993年 Caroシリーズを発表

1994年 Darlingシリーズを発表

1997年 バスルームパネル、Duraswitchを発表

1998年 フィリップ・スタルクEdition 2シリーズを発表

2000年 Giornoシリーズを発表

2001年 Bathroom_Foster シリーズを発表

2004年 新デュラビット設計センターが完成

2005年 Strack X、Ciottoloを発表

2007年 D-Code 、e-mood、Seadream、Blue Moon を発表

2008年 Mirrorwall を発表

2009年 PuraVida シリーズ、Starck K – キッチン・シンク・シリーズ、Inipi – サウナ・シリーズ 、Blue Moon および Sundeck のプールを発表

2010年 Ketho、Vero ブラック、アクリル・バスタブ・パネル、Sundeck 内蔵型バージョン、多機能シャワー・コーナー・バージョン、底部水注入式バスタブの各シリーズを発表

2011年 4つの新デザイン・ライン、 6人のデザイナー、14のデザイン・ハイライト、1つの新ビジネス・エリア: Onto、Darling New、Esplanade、Starck News、 Nahho、PuraVida+、St.Trop、Paiova、バスタブ・カバー、OpenSpace+DuraPlan、Starck 2、小便器 Utronic, SensoWash, Whirl+Soundを発表

2012年 Delos 家具シリーズ、超コンパクト・サウナ Inipi B、ドライ小便器 Architec Dry を発表

2013年 コンプリートシリーズのDuraStyleとHappy D.2、X-Largeファニチャーシリーズの発売を発表。

 

ロゴ

 

まとめ

社名のDuravitには、耐久性を意味するDuraが含まれていますが、製品の丈夫さもさることながら、デザインの丈夫さも含んでいます。タイムレスと表現されることが多いですが、時代が変わっても使用に耐えられる、劣ることのない、流行から距離を置いた普遍的美しさを持っています。

建築関係者でもなければ、バスルームブランドであるDuravitについて、そうそう知る機会も少ないかもしれません。これを機に、ホテルなどを訪れた際には、洗面台のロゴなどをチェックされても楽しいかもしれません!

 

参照

日本での扱いになら、TOTOの子会社のCera Tradingがおすすめです。

 

※1 JDN「創立200年のDURAVIT。デザイナーズバスルームブランドとなったいま、守り続ける3要素とは」

 

※2 陶器と磁器の違い

陶器は「土もの」で磁器は「石もの」。

使われている原材料が、陶器の場合は、陶土(粘土)。磁器は、陶石を粉砕した石粉。

陶器は、低い温度で焼けますが、陶器は高い温度で焼く必要があります。

結果、高い温度で焼いた石を材料とした磁器は、透明度が高く、叩くと金属的な高い音がします。一方で陶器は、透明度がなく、叩くと鈍い音がします。