今回は、コニャックのバロン・オタールについて。
コニャック(Cognac)とは、フランスのコニャック地方で作られたブランデーです。作り方にも規定がありますが、ざっくり言えば「コニャック地方で作られたブランデー」と覚えておいて良いでしょう。コニャック地方ってどこかというとこんなところ。
ボルドーの北部。
コニャックの街の風景はこんな感じ。
写真引用:Travel Malarkey To Drink or Not to Drink – Cognac is the Question
ブランドと語源が近く、ブランドは焼印という意味ですが、ブランデーは「焼いたワイン」という意味のオランダ語Brandewijnが語源。「ブランデー」は、フランスではコニャックならコニャック、アルマニャックならアルマニャックと呼ぶようです。
ぶどうなどの果実を使って作った酒を蒸留したものをブランデーといいます。熟成期間は長く、5年から8年がスタンダード。蒸留したものを樽で発酵させるのは、ウィスキーに似ています。蒸留酒なのでアルコール度数は高く、40度から50度。
アルマニャックはフランスのガスコーニュという南西部の地方の一部。
コニャックとアルマニャックの場所source: https://www.millesimeprive.com/en/news/food-wine/what-is-the-difference-between-cognac-and-armagnac.html
ここで作られるブランデーをアルマニャックといいます。製法と地域を守って始めてコニャック、アルマニャックと名乗れるのですが、これを原産地呼称統制と言います。シャンパン(シャンパーニュ委員会は「シャンパーニュ」と言ってくれ、と言っています)もそうです。フランス語では、「アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ(ppellation d’Origine Contrôlée)」と言い、AOCと略されます。酒だけではなく、チーズやバターなどにも使われます。
レミーマルタン(Rémy Martin)
ルイ13世でも有名なレミーマルタン(Rémy Martin)。ルイ13世は20万円以上。1772年創業のコニャック。親会社はレミーコアントロー。
ジャズ・ヘネシー&カンパニー(Jas Hennessy & Co.)
Dmitrij Rodionov – 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=37978448による
いわゆるヘネシー。こちらもコニャック。LVMHとディアジオの傘下。1765年創業。
アルマニャック・ル・マルク
ついでにカルヴァドスについても。カルヴァドスは、フランスのノルマンディー地方のリンゴを使った蒸留酒。ブランデーの一種。この地方以外なら、アップル・ブランデーと呼び、アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレによりカルヴァドスとは名乗れない。
どうやってリンゴいれるんでしょう?カルヴァドスは一般的にリンゴがまるごと入っているわけじゃないです。
コニャックには、熟成年数によって等級が分けられています。
V.S.は、Very Specialの略で、原酒であるオー・ド・ヴィーが2年以上熟成されたもの。
V.S.O.P.は、Very Special Old Paleの略。4年以上の熟成。
Napoleon(ナポレオン)は、6年以上の熟成。
X.O.は、Extra Oldの略で、10年以上熟成された原酒を使っています。
バロン・オタール
source: Fine Drams Baron Otard VSOP Cognac
ロゴがプラダに似た書体で可愛らしく、紋章はイギリスっぽい。
source: Bacardi Japan Baron Otard
ちなみにプラダのロゴはこれ。Rがね、似てますな。
名前の通り、オタール男爵(バロンは「男爵」という意味)が製造を始めたコニャックで創業は1795年。オタール男爵のフルネームは、Jean-Baptiste Antoine Otard。古城、コニャック城、シャトー・デ・コニャックを買取り、そこで熟成をはじめました。
シャトー・デ・コニャックのウェブサイトはこちら。
https://www.chateauroyaldecognac.com/
ツアーできるみたいですね。
バロン・オタールの種類は、VSOPとXOとExtraの3種類。VSOPは5年以上の熟成。
アルコール度数が高いのでアルコール臭が強いのでグラスの真ん中に鼻を置くとブランデーそのものの香りを楽しみやすくなります。アルコール臭はグラスの縁から上がってきますので。
飲み方は、香りが高まるので常温で、ストレートまたは、トワイスアップ(Twice up )と言って、常温のブランデーと水を一対一で割って飲む方法がオススメです。徐々に水を加えて香りの違いを愉しむというやり方もあったりします。
温かいミルクで割って砂糖を加えるのも美味しいです。
ブランデーで検索するとこういう写真が多いのですが、グラスがマシンメイドで縁が厚すぎです。縁が盛り上がっていると味がちょっと雑になってしまうのでグラスの縁が薄いものがより良いです。
ヨーロッパ人に比べてアルコールに弱いわたしたちは、蒸留酒を彼らみたいに愉しむのはちょっとつらいところがあります。それでもちびちびだったり、トゥワイスアップにしたりして工夫して楽しめます。ウイスキーの男臭さに対してコニャックやアルマニャックは、ちょっと気取った感じがまた華やかで魅力的です。