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2021/02/09
【良いモノ】№113 村井大介(食器)
筆者:大田忍

村井大介さんは愛知県瀬戸市の陶磁器作家さん。

 

ちょっと自分でもあやふやになってきたので陶器と磁器の違いから。

陶器(とうき)と磁器(じき)の違い

陶器と磁器は、合わせて陶磁器と総称されていますが、成分や特徴に違いがあります。これを知っておくと食器選びが更に楽しくなります。ちなみにデンマークやドイツの高価なテーブルウエアブランドは白い地にに美しい青色で模様が描かれていることが多いですが、あれは、中国や日本の磁器が東インド会社を経由して、ヨーロッパに持ち込まれ、それを見た人たちが自国でも作ろうとして出来た経緯があります。もともとはアジアの磁器の特徴です。

陶器

陶器は、原料が粘土が多く、1100〜1300度で焼きます。「土物」とも呼ばれます。

(1)水を吸う

磁器は粘土質が多いので、素地が水を吸います。うちの土鍋は、洗ってから拭いておいておいても少し時間が経つと鍋のなかに水滴がうっすら浮いてきます。これは鍋が含んでいた水が出てきたものです。しかし陶器でも光沢をもたせる釉薬を塗るため、水は通しにくくなっています。

(2)湯を入れても手で持てる

陶器は、時期に比べて素地に穴が多く、空気を多く含みます。保温性があり、熱を外に逃さないので、お湯を入れても手で持つことが出来ます。日本の伝統的な食器に、取っ手がないのは、日本が陶器の国だから。磁器は熱を通すので取っ手があるものが多い。

(3)成分比率(およそ)

長石10%、珪石40%、粘土50%

陶器の粘土は、磁器に比べて鉄分を多く含み、白さが減り、色がつきます。釉薬は、色釉を使います。

(4)叩くと鈍い音がする

陶器は、磁器に比べて焼きしまいないため、叩くと鈍い音がします。

磁器

磁器は石(ガラス質)が多く、 1300度で焼きます。陶器の「土物」に対して「石物」とも呼ばれます。

(1)水を吸わない

磁器は、ガラス質を含み、素地が水を吸いにくなっています。素地が水を含む割合を吸水率と言いますが、磁器は吸水率が0%。

(2)透ける

磁器はガラス質を多く含むので光を通します。

(3)叩くと音が高い

焼きしまいってるため、磁器は叩くと高い「チン」という音がします。

(4)成分比率(およそ)

長石30%、珪石40%、粘土30%

長石と硅石はガラスになる成分。つまり磁器は70%がガラスになる成分で出来ています。粘土は成形に必要で、粘土のおかげで器の形が作られて保たれています。

また磁器に使われる粘土は、鉄分の少ないものが使われます。なぜかというと鉄分が多いと白さが落ちるため。磁器は白さが重要になってきます。釉薬は、透明釉。

この陶器と磁器の違いは、別の記事にもしちゃいました。

 

村井大介さんとはこんな作家

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村井大介さん
画像引用:陶ISM 2018年 in 横浜「村井大介」

1979年三重県松阪市生まれ。2021年で42歳。愛知県瀬戸市窯町に築窯(ちくよう)。磁器土(ガラス質を多く含む土)を使い、ロクロをつかって一つずつ作品を作っています。シンプルな美しさと感触を大切にしています。

村井大介さんのInstagram

わたしが使っている村井大介さんの作品

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代々木上原にある渡辺有子さんの店、FOOD FOR THOUGHTで購入しました。こちらの店舗は、Wondarwallの片山正通さんがデザインされています。

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FOOD FOR THOUGHT 代々木上原店
画像引用:暮らしとおしゃれの編集室

つなみにこのファサードから見える照明は、RH(レストレーションハードウェア)のもの。RHについてはまた今度。

この器にコーヒーを入れるとこうなります。

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磁器なんで透けます。これセクシーじゃないですか?フランスの女性がよく白いシャツの下に黒い下着が透けてて見えるようにしてコーディネートしていますが、それを想起します。ただわたしがやらしいだけかもしれませんが。フランスの俳優、Clémence Poésyさんのこんな姿とか。

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Clémence Poésyさん
source: Oh So French Blog “What Bra to Wear Under White: 6 Shades of Risqué”

村井大介さんの作品の特徴

黒い下着はともかく、村井大介さんの作品に共通して見られる特徴は、上述の通りのシンプルさ。それに加えて、磁器由来の湿度が醸し出す色気です。シンプルな美しさというは、幾何学が導き出す美しさに繋がることが多いんです。たとえば、Braunのデザイナー、ディーター・ラムスのデザインなど。(ディーター・ラムスについてはまた今度触れます。)しかし村井大介さんの作品には、禅における円に近い、合理やロジックとは対象的なシンプルさがあります。(禅に関しては、鈴木大拙の著書が楽しい。)例えばこんなお皿。

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村井大介|チタン釉 プレート7寸 b
画像引用:UTSUWA 11(リンク先で購入できます)

美しく、静かなのに、動を含んだ色気があります。相反するものを同居させるものはいつも不思議な魅力を放ちます。それは人間っぽいからかも。というかこれを書いているうちにこれも欲しくなっちゃったので買っちゃいました。今。

村井大介さんの作品はこのあたりで購入できます

まとめ

日本の若い陶磁器作家さんは思うよりも多く、知れば知るほど、楽しいです。さきのFOOD FOR THOUGHTではそういう作家さんの作品を多く紹介されていますが、探すといろいろと出てきますので、一緒に器の世界を楽しんでいただける仲間が増えて嬉しいです。ちょうど今ならCasa Brutusが器の特集をした特別号を販売しています。

Casa BRUTUS特別編集 【新装版】器の教科書 www.amazon.co.jp

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ここでも紹介されている他の作家さんについても【良いモノ】マガジンで触れてみたいと思います。

 

参照