出典:Artek Official website
Artekは、フィンランドのヘルシンキに1935年に設立された家具ブランド。
理想主義の四人の若者が、「家具を売り、展示と啓蒙的な手段でモダニズム文化を促進すること」を目的として設立した企業えす。
“to sell furniture and to promote a modern culture of living by exhibitions and other educational means.”
from official website
4人の若者たちの名は、
アルヴァ・アアルト、アイノ・アアルト、マイレ・グリクセン、ニルス=グフタフ・ハール。 (Alvar and Aino Aalto, Maire Gullichsen, and Nils-Gustav Hahl)
アルテックの製品は、手作業によってではなく工場で製造されていますが、それを支えているのは、職人たちのクラフトマンシップ。
ラメラ曲げ木:数ミリの厚さの薄いバーチ材の板を木目が揃うように重ね合わせて曲げる技法
L-レッグ:アルヴァ・アアルトが1930年のはじめに開発し、特許を取得した曲げ木の技法で、無垢材の先端から曲げる部分まで切れ目を数ミリ間隔で入れ、そこに薄いベニヤ板をはさみ、熱を加えながら曲げる技法
Alvar Aalto
Artekというブランド名は、フィンランド語ではなく、芸術(Art)と技術(Technology)を組み合わせたいというマニフェストを表明するために作られた新語です。
イギリス発のアーツ・アンド・クラフツのムーブメントの影響がドイツに及んで形成された バウハウスムーブメントの影響下で生まれ育ったマニフェストとも言えます。(がゆえに、ブランドロゴは、バウハウス
(写真はArtek official website。価格は、Sempre)
Stool 60
デザイナー: Alvar Aalto
1933年デザイン
Pirkka Stool
デザイナー: Ilmari Tapiovaara
1955年デザイン
Kanto Magazine-/Firewood Rack PN001
デザイナー: Pancho Nikander
2004年デザイン
Pendant Light A331 “Beehive“
デザイナー: Alvar Aalto
1953年デザイン
Pendant Light A330S “Golden Bell“
デザイナー: Alvar Aalto
1937年デザイン
ヘルシンキのサボイレストランの為にデザインされたペンダントライト。オーガニックなフォルムは一枚の真鍮から造られています。
Ovalette Table
デザイナー: Ilmari Tapiovaara
1954年デザイン
Trienna Table
デザイナー: Ilmari Tapiovaara
1954年デザイン
Tea Trolley 901
デザイナー: Alvar Aalto
1936年デザイン
286,000円(税込)
Kiila Coat Stand
デザイナー: Daniel Rybakken
2017年デザイン
出典:Artek on Wikipedia
ベースになっている書体は、
Futuraは、ラテン語で「未来の意味」でドイツにおけるバウハウスのムーブメントに関連して捉えられがちな書体。ただし、バウハウスに関連してデザインされたわけではなく、New−Frankfurt プロジェクトへの貢献のためにデザインされた書体です。
バウハウスとは、第一次世界大戦後にドイツ中部の街のワイマール共和国に設立された美術学校。
ウィリアム・モリスをはじめとするイギリスのアーツ・アンド・クラフツ運動の影響がドイツに及び、設立された経緯があります。
Futuraをベースにしたブランド/企業ロゴは多いです。
Omega
Louis Vuitton
Jil Sander
Dolce & Gabbana
ときりがない。
幾何学的なこの書体は、プロポーションが古代ローマの碑文をベースにしているため、美しく、それでいて幾何学的な洗練のされ方をしているので、古典的な美の定理とモダンな方向性を哲学にしたブランドがそのコンセプトを体現するために使用することが多い。
参照:Font Meme “Famous Logos Created with Futura Font”
フィンランド、ヘルシンキの家具ブランド、Artekは、無垢の木を使って自然なテクスチャを持ちながら、造形は幾何学的。バウハウス的なトライアルを経たデザイン哲学をそこに観る気がしますが、フォルムはそれでいて冷たくなく、温かい。ロゴに使われている書体、Futuraの持つ気配と共通している気がします。アルヴァ・アアルトのデザインが、シグニチャーというかフラグシップになっていますが、名前が示すように「芸術と技術の融合」を目指す姿勢は、誰のデザインでも通底しています。スツール60が有名ですが、それ以外にも素敵な製品がいっぱいです。例えばこんな貯金箱もあります。
Pauper Coin Collector
Pauperとは、貧乏人という意味です。