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2020/02/19
【良いモノ・アーカイブ】№48 Celine(セリーヌ)_ファッション
筆者:大田忍

(出典:Celine オフィシャルウェブサイト)

フィービー・ファイロのファンを置き去りにしてエディ・スリマンが変容させつつさらに発展しはじめた、セリーヌ。

 

概要
パリに本拠地を置く、LVMH傘下のハイファッションブランド。

 

Celine オフィシャルウェブサイト

 

歴史

1945年 セリーヌ・ヴィピアナと夫のリチャードが創業。はじめは、子供向けのオーダーメイドの靴を製造販売していました。

1960年代から、スポーツウェア的なアプローチで、成人女性向けのプレタポルテ(写真既製服)にブランドをフォーカスさせていきます。

その後、バッグ、グローブ、ローファーなどの革製品へと扱いを広げていきます。

 

セリーヌ・ヴィピアナは、創業の1945年から1997年までCelineのデザイナーを続けていました。

1964年に、香水「Vent Fou」とAmerican Sulkyコレクション関連のアクセサリーが成功し、がチーフデザイナーに就任。トレンチコートが主要商品になり、また革製品の人気により革製品工場をフィレンツェにオープンさせます。

 

Vent Fou Celine for women

Vent Fou (quoted from Fragrantica

 

1987年にLVMHのベルナール・アルノーがセリーヌを傘下に入れようと決意しますが、LVMH傘下に入ったのは1996年。

1997年 LVMHは、女性の既製服デザイナー兼クリエイティブディレクターにアメリカのデザイナー、Michael Kors (マイケル・コース)を招聘します。(ヴィピアナは退任。)

2004年 マイケル・コースは、自身のブランドにフォーカスため、退任。

2005年 イタリアのデザイナー、Roberto Menichetti(ロベルト・メニケッティ)がクリエイティブディレクターに就任。

2006年 クロアチアのデザイナー、Ivana Omazic(イヴァナ・オマジック)が、ディレクターに就任。オマジックは、Romeo Gigli、プラダ、ジルサンダー、ミュウミュウで実績のあるデザイナーでした。

2008年 Phoebe Philo(フィービー・ファイロ)が新たなCelineのクリエイティブディレクターに就任。チーフデザイナーに就任。彼女は、その後10年間、セリーヌのクリエイティブディレクターとして手腕を発揮し続けました。

2018年 Hedislimane(エディ・スリマン)が、アーティスティック、クリエイティブ、イメージディレクターとして招聘されます。

 

エディ・スリマンは、彼がInstgramで発表した新ロゴ(下記参照)のように素早く、セリーヌのブランドを一新しました。2018年の1月に就任し、同年9月には、エディ・スリマンのコンセプトを反映したフラグシップコンセプトストアを、パリ、東京、上海、ロスアンゼルス、マドリッド、ミラノ、ロンドンに作りました。

エディ・スリマンのシグニチャーは、

“driven by youth culture, indie rock and sulking adolescence.”
(ひねくれた思春期とインディーズロック、ユースカルチャードリブン)

その色にセリーヌの染めていきます。

 

エディ・スリマンが就任して以降、セリーヌにはメンズラインも生まれました。

ところで、エディ・スリマンは、フォトグラファーでもあります。

2000年にクリスチャン・ディオールのメンズ部門「ディオール オム」のクリエイティブディレクターに就任。

シャネルのチーフデザイナーであったカール・ラガーフェルドは、エディ・スリマンの「男を小さく見せる」スーツを着るために、胃を切除する手術まで受けて減量しました。

2007年に、ディオール オムを退任して、しばらくフォトグラファーとして活躍後、2012年にPPR(現ケリング)傘下のイヴ・サンローランのクリエイティブディレクターに就任。※2

 

Hedi Slimane in 2015.jpg

Hedi Slimane (出典:By Yann Rzepka – Received on OTRS with authorisation, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=67789187)

 

 

主な商品と価格

(写真と価格はCelineオフィシャルウェブサイトより)

 

ミニ ラゲージハンドバッグ / ドラムドカーフスキン | CELINE

ミニ ラゲージハンドバッグ / ドラムドカーフスキン
423,500円(税込)

 

 

クロード メリージェーン パンプス / パテントカーフスキン&グログランファブリック | CELINE

クロード メリージェーン パンプス
パテントカーフスキン&グログランファブリック
101,200円(税込)

 

 

 | CELINE

ダブルブレスト ロングブレザー
ダイアゴナルウール
418,000円(税込)

 

 

CELINE ヘリテージ ヘプタゴンリング / スターリングシルバー | CELINE

セリーヌ ヘリテージ へプタゴンリング
スターリングシルバー(メンズ)
63,800円(税込)

 

 

ブルゾン / エンボスドラムスキン | CELINE

ブルゾン
エンボスドラムスキン(メンズ)
935,000円(税込)

 

 

ポインテッドチップタイ / サテンエフェクトシルク | CELINE

ポインテッドチップタイ
サテンエフェクトシルク
24,200円(税込)

 

 

 

ロゴ

2018年にエディ・スリマンが、Celineのアーティスティック、クリエイティブ&イメージディレクターに就任してすぐにロゴが現在のものに変更されました。

Célineのアクセント記号が取られ、キャピタライズ(大文字化)されて、文字間が狭められませした。

 

比較するとこうなります。

(出典:Brand New

 

この変更は、賛否両論でしたが、変更するまえから反発は予測されたものでしょう。エディ・スリマンを招聘した時点で、LVMHは、Celineをこんなふうに考えていたはずです。

書体は、幾何学的ながらヒューマニスティックなニュアンスもあるサンセリフ体。

サンセリフ体とは、セリフ(文字の端にあるヒゲ)がないという意味です。サンセリフ体が生まれたのは19世紀後半なこともあり、オーセンティックではなく、未来的な、モダンなというニュアンスがあります。

加えて、文字間を狭くすると「ファスト」、迅速なニュアンスが出てきます。逆に話すと落ち着きが生まれます。1960年代のCelineのロゴに回帰したなんて言われたりもしていますが、そうとも言えない気がします。

ロック好きなエディ・スリマン的な趣向をCelineのなかに注入して変質させた、そんな気配を感じます。

Celineのロゴは、創業当初、Paymont Peynetがデザインした赤い象でした(画像がなかなか見つからない)。

それから1973年に絡み合うCを使ったロゴに変更しています。(これも画像がなかなか見つからない)。

 

 

現在のロゴに近い書体は、Semplicita

Semplicita Pro

デザイナー:Alessandro Butti, Patrick Griffin, Bill Troop

 

 

まとめ

 

参照

※1:CR “THE HISTORY OF CELINE”

※2 中野香織『「イノベーター」で読むアパレル全史』