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2019/11/07
【良いモノ・アーカイブ】_8_ Aēsop (イソップ)_スキンケア
筆者:大田忍

恐ろしく完成された
哲学属性を商品したブランド、Aēsop

率直に言えば、イソップというブランドには恐ろしさを感じます。
どうして、シンプルにして美しく、ラグジュアリーでありながら食傷されないままでブランドを継続できているのか
それがうまく理解できないからです。
高級になるほどシンプルになる、という具体例は多くある。
余白はラグジュアリーであり、合理であり、デザインと幾何学と力学の基礎を要する。その理解は容易なのですが、イソップというブランドの成功は、どう成立しているのかに手が届かないのです。
目次
  • ブランド概要
  • ロゴ
  • 店舗デザイン
  • まとめ

ブランド概要

公式サイト
創業は、1987年。オーストラリアのメルボルン。オーストラリアの南端のほうにあり、人口は500万人弱。オーストラリアの人口の19%ほど。※1
創業者は、Dennis Paphitis。ヘアケア用品の開発者。
2012年にブラジルのコスメ会社、Natura & Co.に買収される。
現在のCEOは、Michael O’Keeffe。
(出典:Michael O’Keeffe – The Genie in the Brown Flask)
ブランド名の由来は「イソップ童話」で「嘘・偽りがない」ことから選んだようです。※1
合成着色料、合成香料、鉱山油、動物油を一切使わないナチュラルなスキンケア。
だから高い。
500mlのハンドウォッシュ
これで4,767円@Amazon
高いけどおしゃれ。おしゃれだけど高い。
環境問題を重視しているのだけれど、リフィルの用意は現在まだありません。
オフィシャルサイトでは〈なんとかするつもり〉的なコメントにとどまっています。
ハンドウォッシュだったら今スクリュートップ付きのもの(リフィルかなー)をオーストラリアで実施中で今年(2019年)からはオンラインで導入したいなーと思っているそうです。
ナチュラルな香料なのでとても良い匂いですが、シャンプーは、きっしきしになります(笑)。
なるけどいい匂いで、おしゃれ。
親会社のNatura & Co.はこんな会社です。
パークハイアット東京のアメニティに使用されています。
(出典:ANA Travel & Life)

ロゴ

使用されている書体は
ヘルマン・ツァップ先生が1970年代にデザインした、美しいサンセリフ体。
この書体を使った他のロゴは以下。
  • ASTON MARTIN
  • JAGUAR
  • LUZIANNE
  • NORDSTROM
  • YAHOO
ちなみにロゴ以外には、Helvetricaを使っています。

デザイン

イソップのデザインへの重きの置き方は群を抜いてすごい。
イソップの「デザインの分類学」というサイトをみるとその凄さがわかります。
グラフィックデザイナーでなくとも、他のラグジュアリーブランド以上にクオリティが高いことが見て取れるのではないでしょうか。
このサイトには、
「Quote/引用(日本語のサイトには「格言」と表記されています)」という項目があって面白い。
イソップのクリエティブ/ディレクターは、Marsha Meredith。
彼女のとある一日の過ごし方について。

店舗デザイン

イソップは、ユニークな店舗づくりをしていて、多くの建築家、インテリアデザイナーやアーティストとコラボレーションをし続けています。
日本においては、
トラフ建築設計事務所がイソップ渋谷店、京都市河原町店、イソップGINZA SI店をデザイン。
イソップ渋谷店
イソップ京都市河原町店
イソップGINZA SI店
トラフ建築設計事務所
また
イソップ南青山店、はSimplicityの緒方慎一郎氏がデザインしています。
イソップ東京店(中目黒)
イソップ南青山店
Simplicity

 まとめ

イソップはすごい。
どうすごいかと言うと、ブランド形成がすごい。
Natura & Co.が買収して、わずか7年で、25カ国に320店舗を展開する規模になっている。
ハイエンドなのに認知が高い。シンプルなのにシグニチャ(みてそれとわかる)が確立されている。
店舗デザインが多様なので、どこも訪れてみたくなる。
イソップが販売しているのは、哲学属性で、その凄さは認知の高さ。
 
どんな哲学かというと「高いけど本物で、良いモノで、見た目も良いモノを追求する」という哲学。
イソップを使っている人は、「高くても良いモノで、洗練されたアウトプットを好む私」を内外に示せる。
 
イソップと同じ様に高品質のブランドは他にもあるが、イソップのレベルのアウトプット(デザイン)ではないものが多い。
デザインのレベルも高くても、今度は認知がイソップのそれに及ばない。共通認識がないと属性が「記号」として機能しない。
難癖をつけてみるとすれば、使いづらさもあるけれど、認知の高さが持つ単純思考の気配くらいかしら。
「高級な空間を演出するのにコルビジェデザインのソファやフロスのアルコランプをおいておけばいい」的な思考が、イソップも取り込みがちだ。
でも、そんなのどうでもいいレベルの難癖です。
「じゃあ使っているのか?」と問われるとあんまり使っていない。
理由は、「あからさまなんで、別のオプションを選んでいたい」からか。
他所で見かけると嬉しいのに、自分の生活空間にはあまり求められない。コモディティなのに「ハレ」なのか?
参照
※1 midas