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2019/11/06
【良いモノ・アーカイブ】_7_ Louis Poulsen(ルイス・ポールセン)_照明
筆者:大田忍

 

(Poul Henningsen’s Artichoke lamp seen from the side. Photographed in the lobby of Park Plaza Hotel in London)

 

「=ポール・ヘニングセン」じゃない。
デンマークの照明ブランド、ルイス・ポールセン

「ルイス・ポールセン」と言えば、こちら(下)のPH-Lampや、上の「アーティチョーク」を想起される方が多いと思います。

 

 

(By Holger.Ellgaard – Own work, CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2817356)

 

 

これらの照明をデザインしたのは、

ポール・ヘニングセン

ただし、「ルイス・ポールセン」=「ポール・ヘニングセン」ではありません。

ポール・ヘニングセンが、ルイス・ポールセン社と協業を始めたのは1925年から。

ルイス・ポールセン社は、照明メーカーとして1874年に創業しています。

 

元来、ルイス・ポールセン社は

「形態は機能に従う」というスカンジナビア・デザインの伝統に基づいて製品を作り続けきています。(※1)

 

ただし公式サイトで、ルイス・ポールセンは、

「ルイス・ポールセンのデザイン手法は、光とデザインの2つをお互いに作用させようとするヘニングセンの考えに遡ることができます」

と述べており、それを象徴するのが、ヘニングセンが1924年にデザインした「パリ・ランプ」だとしています。

 

“Paris” lamp

(出典:MODERNITY)

 

ところでポール・ヘニングセンのデザインの特徴は、「ヴィジュアルグレアをなくしている」点です。ヴィジュアルグレアとは、光源を直接みたときに感じる視覚的な眩しさのこと。人が不快を感じることなく、照明に接することができる様にデザインされたヘニングセンのデザインは、「光とデザインの相互作用を具現化する」という姿勢と「形態は機能に従う」というスカンジナビア・デザインの哲学の融合として、ルイス・ポールセンのシグニチャ(それとわかるもの)となっています。

 

ところで、ルイス・ポールセンの商品名についている「PH」は、「ポール・ヘニングセン」のイニシャルです。

 

 

ポール・ヘニングセンについて

ポール・ヘニングセンについて少し。1894年–1967年。デンマークの女優アグネス・ヘニングセンを母としてコペンハーゲンに生まれる。伝統的な機能主義建築をキャリアにスタートしますが、その後、興味は照明に移っていきます。ルイス・ポールセン社との協業は1925年に始まり、同社の広報誌「NYT」の最初の編集者となります。元来、ポール・ヘニングセンはジャーナリスト、作家としても活動しており、デンマークの新聞社を追われたポール・ヘニングセンへの「プレゼント」として、ルイス・ポールセン社のCEO、ソーフス・カストラップ・オルセンが提供した役割でした。

 

 

 

ルイス・ポールセンのデザイナーたち

ルイス・ポールセンには多くのデザイナーがデザインを担っています。

 

アヌ・モザー

1945年生まれ。スウェーデン人の陶芸家。

 

アヌ・モザーデザインの製品「モザー」

φ205 価格:60,390円(税込)@Amazon

 

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アーネ・ヤコブセン

コペンハーゲン生まれの建築家。

 

アーネ・ヤコブセンデザインの製品「AJテーブル」

価格104,940円(税込)@Amazon

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クリスチャン・フリント

1972年生まれ。

 

クリスチャン・フリントデザインの製品「フリント・ウォール」

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クララ・フォン・ツヴァイベルク

ストックホルム生まれ。

クララ・フォン・ツヴァイベルクデザインの製品「スィルク」

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価格(φ150):36,630円(税込)@Amazon

 

 

 

オラファー・エリアソン(Olafur Eliasson)

1967年生まれ、デンマーク人。

オラファー・エリアソンデザインの製品「OE クワジライト」

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nendo/佐藤オオキ

2002年にデザイン事務所nendoを設立した佐藤オオキ。

 

nendoデザインの製品「NJPテーブル」

NJP-Table-Light-Alu-Grey-Base-03A-2-5-91648.png

価格:56,430円(税込)@Amazon

 

 

内山章一

内山章一デザインの製品「エニグマ」

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オイヴィン・スロット

1978年生まれのデンマーク人デザイナー。

オイヴィン・スロットデザインの製品「パテラ」

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ヴィルヘルム・ウォラート

ヴィルヘルム・ウォラートデザインの製品「ウォラート」

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ヴィルヘルム・ラウリッツェン

1894–1984、デンマーク機能主義建築の先駆者。

ヴィルヘルム・ラウリッツェンデザインの製品「VL45 ラジオハウス ペンダント」

VL45-Pendant-EU-370-03-2-5-91677.png

価格(φ250):64,350円(税込)@Amazon

 

 

 

ガムフラテージ

デンマークのデザインチーム。

ガムフラテージデザインの製品「Yuh フロア」

Yuh-Floor-Brass-Marble-Black-EU-04-2-5-91709.png

価格:86,900円(税込)@Amazon

 

 

 

 

ルイーズ・キャンベル

1970年コペンハーゲン生まれ。

 

ルイーズ・キャンベルデザインの製品「コラージュ450」

Collage-450-White-01-2-5-91308.png

価格:109,890円(税込)@Amazon

 

 

 

マッス・オドゴー

1960年生まれのデンマーク人。

 

マッス・オドゴーデザインの製品「アバーヴ」

Above-Pendant-Black-EU-400-02C-2-5-91691.png

価格(φ250):47,520円(税込)@Amazon

 

 

 

ポール・ヘニングセン

1894年コペンハーゲン生まれ。

 

ポール・ヘニングセンデザインの製品「アーティチョーク」

PH-Artichoke-CopperRose-480-600-720-840-06-2-5-90145.png

価格(リプロダクト):736,160円(税込)@Amazon

 

 

 

 

ヴァーナー・パントン

1926–1998。

 

ヴァーナー・パントンデザインの製品「パンテラ ミニ テーブル」

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価格:70,290円(税込)@Amazon

 

 

 

 

ブランドについての誤解しやすい大事なこと

以上のようにルイス・ポールセンのブランドは、決してポール・ヘニングセンのデザインのイコールではありません。

ルイス・ポールセンの哲学をポール・ヘニングセンが数点、具現化しただけです。

「だけ」というにはあまりにもその功績は大きいですが、大事なのことを言うためにつけました。

ブランド=デザインではないのです。

 

ブランド=哲学

これがブランドの実体です。

デザインは、ビジュアルは、ロゴは、その哲学を伝えるためのツールです。

プロダクトは、その哲学が顧客伝えることのできるメリットを形にしたものです。

 

 

 

ロゴ

 

ご覧の通り、書体はHelveticaを使用しています。

 

Helvetica

1957年にマックス・ミーディンガーがデザインし、エドゥアルト・ホフマンとともに発表したサンセリフ体。Helveticaはラテン語で「スイス」を意味しています。

デザイナーでなくても知っているほど有名な書体。Helveticaをロゴに使用している企業やブランドは、他にも以下のように多い。

  • Knoll
  • Panasonic
  • Lufthansa
  • Jeep
  • AmericanAirlines
  • The North Face
  • Crate&Barrel
  • Microsoft
  • Harley Davidson
  • Scotch
  • 3M
  • Target
  • JC Penney
  • Dole
  • Nestlé
  • Toyota

きりがないほど。

 

 

参照

※1 ルイス・ポールセンについて