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2018/06/06
格好悪い会社 vs ちゃんとしてる会社(1)
筆者:大田忍

デザインに関しての知識がなくとも、
何かの有り様にたいして、
「これはちょっと格好悪いなぁ」
感じることがあると思います。

街を歩いて何かを目にしてそう感じるぶんには、
関係のないものとして
流して良いのだけれど、
いざ、自分に関わるものであるとき、
具合悪く感じるのではないでしょうか。

自分が身につけるものなら、
選べるのですが、
所属する組織に関するものであれば
選べません。

制服、名刺、パンフレット、
広告、看板、オフィス、
はたまた社長!?

社長もまた企業の顔の役割を担っています。
社長が格好悪いと社員もいくぶん
肩身を狭く感じるものです。

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?
の中で、世界的なコンサルティング会社、
コーンフェリー・ヘイグループでコンサルタントも
されている、著者の山口周さんは、

「すべてのビジネスはファッション化する」と
述べています。

どういうことかというと
我々が現代で使用する製品やサービスは、
差を創造しづらくなるほどに、全てが高品質化している。

そしてもはや機能ではなく、
自己実現の手段として
サービスや商品を手にする
ようになってきているということです。

 

著書では、
スターバックスで
アップルのマックブックエアで
仕事をしている姿を
典型の例にしてあげています。

 

Macを使っているということで
その人が「そういう人」として
見えるし、見せようともする。

 

この意味では、
もはやアップルは、
ITやパソコンの企業というよりは
ファッションの企業と言えます。

これが、
「すべてのビジネスはファッション化する」
の意味です。

もうひとつ例として
あげますが、
インスタグラムという
SNSサービスがあります。
インスタグラムには、
それを使っている=「おしゃれ」という気配があります。
美意識、というよりもファッションに
自信のない方は、
このサービスを使うことも遠慮しがちになる、
そういう傾向があるようです。

物質的なものばかりではなく、
手に取れないサービスにすら、
ファッション化の影響が及んでいるわけです。

 

さて

であれば、です。

 

あなたが従事、または経営している企業も
すでに、またはこれから
ファッション化の影響が及ぶはずです。

良いサービス、
良質な製品、
を提供していても、
「格好悪い」という理由で
選ばれなくなりえるということです。

 

それはちょっと怖いですよね。

 

デザインと経営はそんなに関係ない、
と思ってきたのに、

美術なんて専攻してこなかったのに、
ファッションなんて疎いほうなのに、

見た目が重要になってくるなんて……、
と戦々兢々となる方も多いはずです。

でも、「見た目」、
について知っていけば、
さほど怖くなくなるはずです。
知らないから、怖いだけであり、
知れば対処のしようがあります。

 

くまモンの生みの親でもある
グラフィックデザイナーの水野学さんは、
その著書『「売る」から、「売れる」へ。 水野学のブランディングデザイン講義
でセンスについてこう定義しています。

「センスとは、集積した知識をもとに
最適化する能力である」

デザインとアートの違いもここに含まれているのですが、
その話はまたいずれ。

ここで大事なのは、
センスというのは特別な能力を要するものではなく、
「知識の集積」を前提にしていること、
そこから2、3のポイントを押させて
集積した知識を抽象すれば、
発揮できる能力であること、
です。美大出身じゃなくても良いんです。

 

グラフィックデザイン、
ブランディングコンサルティング
の視点から、
まずは、
どんな会社が「格好悪い」のか
このブログを通して、
少しずつ見ていきましょう。

また、
ブログのタイトルでは
格好悪いの対義語が
「ちゃんとしている」になっています。
どうして格好良い、じゃないのか。
そんな話もゆくゆくしていきたいと思います。

 

次回は、
「格好悪い会社の名刺」
について。