グーグル効果 (Google effect)とは
インターネットですぐに検索できる情報は記憶しようとしない効果
デジタル記憶喪失(digital amnesia)とも呼ばれるものです。さてグーグルがあるせいでわたしたちの記憶力は低下しているのでしょうか。
2011年の研究では、インターネットを利用できる参加者と利用できない参加者に分けて、雑学などの問題を出し、その後の記憶力を調べてみたところ、インターネットを利用できた参加者のほうが、問題に関する記憶力が低かったことがわかりました。ただし、どこにアクセスすればよいかという記憶力は高かったようです。
わたしたちは自分で直接すべての記憶を保持しなくても、「誰がそれを知っているか」を知っているいれば良いと判断する傾向を持っているようです。「最小努力の法則」にも関わってきますが、わたしたちの心身は、サボれる機会があれば徹底してサボる傾向があります。そのメカニズムが記憶にも作用して、何かを覚えなくても、詳しいのが誰かは覚えるということを行うようです。これが人ではなく、サーチエンジンになったのがグーグル効果。
ハーバード大学のウィリアム・ジェームス記念ジョン・リンズリーの故ダニエル・M・ウェグナー博士は、このグーグル効果が、人々に記憶しようとする動機を捨てさせ、その結果情報の価値が下がったと説きました(※4)。
ロンビア大学のスパロウ博士らの研究結果によると、インターネットを利用して雑学の問題に回答した人は、インターネットを使わなかった人たちに比べて、自分たちの記憶力や知能を優れていると評価していました(※2)。
アルバート・アインシュタインもこう言っています。
「調べればわかることは、覚える必要はない。」
“Never memorise something that you can look up.”
アインシュタインに倣って、気にしない。
認知バイアスとは進化の過程で得た武器のバグの部分。紹介した認知バイアスは、スズキアキラの「認知バイアス大全」にまとめていきます。
•最小努力の法則
ある目標を達成するのに複数の方法があるとき、最も少ない努力で済む方法を選択する傾向
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※3:The Internet Has Become the External Hard Drive
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