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2019/12/23
【良いモノ・アーカイブ】No.22 Franck Muller(フランクミュラー)_腕時計
筆者:大田忍

ブレゲの再来と言われる天才時計師によるブランド

 

概要

「なんとなくイタリアの気配を感じる」と思う方もいるとかもですが、よく知らずしてそう感じ方の感、あたっています。

天才的な時計師、フランク・ミュラーは、スイス人の父とイタリア人の母の間に1958年に産まれています。

(ワールド通商 – ワールド通商, GFDL-no-disclaimers, https://ja.wikipedia.org/w/index.php?curid=1537321による)

創業は1991年。ケースメイカーのヴァルタン・シルマケスとともに「テクノウォッチ」を設立。

1998年に、フランク・ミュラー・ウォッチランドに社名変更。

現在は、いくつかのブランドを抱えるグループと化しています。

 

公式サイト(日本)

公式サイト(海外)

 

現在、経営はヴァルタン・シルマケスがCEOとして執り行い、フランク・ミュラーは開発チームを担当しています。

創業当初は、すべて自社で製作していたものの(いわゆるマニュファクチュール(Manufacture)。詳しくは「NO.14 Patek Philippe(パテックフィリップ)」を参照ください)、1994年からベースムーヴメントにエタの製品を使用しています。また一部商品にクォーツムーヴメントを使っています。

ところで、流れと関係ありませんが、覚えておきたいのでいくつかの腕時計専門用語を紹介しておきます。

Tourbillon(トゥールビヨン)

アブラアン=ルイ・ブレゲが発明した装置。1800年頃の話。1801年に特許が取られています。どういう機能を持っているのかというと「重力分散」。どうして重力を分散させる必要があったのかというと当時の時計は、懐中時計が主流。※1

 

Horology(時計学)

日本語ではとんと見かけない気がしますが、測時法とも翻訳され、時計の製造学、時間の計測などの研究全般を意味する言葉です。ラテン語の“horologium”が由来。

 

Minute repeater(ミニッツリピーター)

またアブラアン=ルイ・ブレゲが懐中時計に組み込むことを完成させた機能で、レバーまたはボタンを押すとチャイムの音の回数で時刻がわかる機能。発明したのは、イギリスの時計師、エドワード・バーローやダニエル・クエアー。その当時は置き時計だった。音からどうやって時間を把握するのか。

音には低音と高音とその両方を組み合わせものの3種類があります。

•低音=1時間を表します。なので12回鳴れば、12時

•低音と高音=15分を表します。3回なれば15×3で45分

•高音=1分を表します。これは15分単位以下の分なので、低音と高音の数字にこれを足すことで細かい時間まで表現しています。つまり低音と高音のセットが3回鳴った後に(45分を意味する)、高音が5回なると45分+5分ということで「50分」を意味します。

 

どんなふうに機能しているのか、こちらの動画で解説しています。

 

Perpetual Calendar(永久カレンダー)

腕時計には、日数を示す機能があるものがありますが、これ毎月調節しないといけないものと1世紀の間は調節不要のものがあります。毎月調節する必要があるものをアニュアルカレンダーと呼びます。これは2000年前後に開発された新しい機能。対して永久カレンダーことパーペチュアルカレンダーは、月の日数の違い、閏年にも合わせてくれて、月日を表してくれる機能です。またまたアブラアン・ルイ・ブレゲの発明と言われています。

 

世界三大複雑機構

上記の「トゥールビヨン」、「ミニッツリピーター」、「パーペチュアルカレンダー」を腕時計の世界三大複雑機構と呼びます。

 

 

Complication Watch(コンプリケーション)

上記のような複雑な機能を持つ時計を「コンプリケーション・ウォッチ」と呼びます。クロノグラフなどもコンプリケーションの機構として含むことも多いようです。。

 

 

特徴

フランク・ミュラーのシグニチャ「トノーケース」と「ビザン数字」

トノーとは「樽型」という意味。時計の側面を少し膨らませた長方形で、レトロな形態だと認識されています。というのも腕時計草創期の典型のひとつだったため。「トノー」は、フランス語の“tonneau”。このデザインを1990年代に「復活」させたのがフランク・ミュラー。

ビザン数字とは、アラビア数字をクラシクなフォルムで描いたフランク・ミュラー独自の数字。(ビザン数字の語源、調べたけど今の所わからず。ご存じの方、教えて!)

Gressiveというサイトによれば、フランク・ミュラーがインタビューで、腕時計の文字って見づらいので大きくしてみたという主旨のことを語っています。40〜50回くらいは作り直して完成したと。

※2 ※3

 

 

主な商品と価格

価格と画像は、公式サイト(日本)を引用。

 

CINTRÉE CURVEX GRAND GUICHET
286万円(税込)

 

 

LONG ISLAND PERPETUAL CALENDAR TOURBILLON
3410万円(税込)

 

 

VANGUARD™ TOURBILLON MINUTE REPEATER SKELETON
6050万円(税込)

 

 

CASABLANCA
93.5万円(税込)

 

 

 

ROUND SPLIT SECONDS DOUBLE FACE CHRONOGRAPH
709.5万円(税込)

 

 

ロゴ

ロゴに使用されている書体は、Bodoni SH Mediumと推定しています。

ロイヤルコペンハーゲンのロゴと同じ書体か。文字の太さ(ファミリーと言う)は違う。Franck Mullerは、Mediumという太さ。

Bodoniという書体は、元来、イタリアの書体デザイナー、Giambattista Bodoni(ジャンバティスタ・ボドニ)(1740-1813)のデザインをベースにしています。ぜんぜん違うのもありますのでご注意。

欧文書体の分類でいうと「モダン・ローマン」に含まれます。イタリアのルネッサンス起源。強いコントラストが特徴で(セリフという端っこの線がすごく細くて、縦線が太い)、ファッション界においてハイファッションを示唆する書体として好まれて使われています。

例えば、雑誌、VogueElleのロゴもこのモダン・ローマン。

新しいZaraのロゴもモダン・ローマンを使っています。

 

 

 

まとめ

フランク・ミュラーは、フランク・ミュラーの技術と感性の体現したタイムピースがほぼアートの領域で商品になっているブランド。100万円以下なら「カサブランカ」シリーズから購入可能です。一方で、トゥールビヨンなどの機能をもつものは、6000万円以上の価格のものも。

 

参照

※1 TOKEI TUSHIN「高級時計のシンボル的な存在「トゥールビヨン」とは何なのか?」

※2 フランク・ミュラー大全

※3 Gressive「時計界に多大な影響を与えたフランク ミュラーのダイアル革命」