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2019/12/26
【良いモノ・アーカイブ】No.25 IWC(インターナショナル・ウォッチ・カンパニー)_腕時計
筆者:大田忍

(写真:Motredo

 

人口わずか3万人の街、シャフハウゼンから世界に送り出される質実剛健な美しき時計、IWC(インター)

 

概要

ロゴにも含まれていますが、IWCはシャフハウゼンを本拠地にしています。

シャフハウゼンは、スイスの北のほうにある小さな街で、ドイツに近い。というのもあって、ドイツ語圏。

どれくらい小さな街かというと人口は2005年で3.3万人。

こちらがシャフハウゼンの公式サイトですが、かなり古くてちゃんと表示されません。

IWC公式サイト(日本)

 

IWCは「International Watch Co. AG」の頭文字。AGは、ドイツ語で「株式会社」を意味して「アーゲー」と読みます。Aktiengesellschaft。Aktienが株式、Gesellshaftは、組合を意味しています。

日本の統計業界では「インター」と呼ばれたりしています。

創業は、1868年。明治維新の年です。

IWCのブランドを表現するのに日本語ではよく「質実剛健」という言葉が出てきます。「飾り気がなくて真面目でたくましい」という意味ですが、なるほど確かにそういう気配があります。ドイツ国境に近いのも影響があるかも知れません。

 

経営は、リシュモングループ

【良いモノ・アーカイブ】No.21 ラグジュアリーブランドのランキングでも紹介していますが、ラグジュアリーグッズの世界は、巨大なコングロマリットが上位を占めまくっています。なかでもLVMHがダントツ。かなり離して2位にエスティーローダー。3位がリシュモン。IWCは、現在このリシュモンの傘下にあります。2000年から傘下に入っています。

 

創業者はアメリカ人

Florentine Ariosto Jones(フロレンタイン・アリオスト・ジョーンズ)。時計職人のHeinrich Moser(ハインリヒ・モーザー)と協力して、アメリカ市場向けに懐中時計を販売することを目的に創業します。

 

なぜシャフハウゼンか

シャフハウゼンは、Google Mapで見てもらうとわかりますが、ライン川が近くにある街。ライト兄弟が初飛行したのが1903年ですので、世界の交易はおもに水運です。シャフハウゼンは、水運交易で栄えた街だったのがフロレンタイン・アリオスト・ジョーンズらが創業の地選んだ理由のひとつでした。またライン川の水力で作れる電気もこの地の魅力のひとつでした。ドイツ人も雇いやすいし、スイスの時計作り技術も活かせる。適材適所な場所としてシャフハウゼンに白羽の矢が立ったということでした。

 

1915年より腕時計に参入(それまでは懐中時計のみ作っていました)。

安価な日本製クォーツが時計業界を席巻するようになって機械式の製品は、自社製ムーヴメントの生産をやめて、エタのムーヴメントを使うようになりました。エタとは、ETA SA Manufacture Horlogère Suisse 、ETA SA(エタ・エス・アー・マニュファクテュール・オルロジェール・スイス)。エタのムーヴメントを使っているのは、他にフランク・ミュラー、ブライトリング、オフィチーネ・パネライ、オメガ、タグ・ホイヤーなど。

ブランド

オーナーや時計好きの方ならご存知かもしれませんが、IWCのケースなどにには、IWCのロゴとともにこんな言葉が凹み加工で刻まれています。

PROBUS SCAFUSIA

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(写真:Pastiche Patches

「プローブス スカフージア」と読むのですが、これはラテン語です。PROBUSが「優れた」という意味。SCAFUSIAは、「シャフハウゼン」。クラフツマンシップを示しているのですが、やはりかなりシャフハウゼンという地に重きを置いています。

 

 

 

主な商品と価格

価格と画像は、公式サイト(日本)を引用。

Aquatimer(アクアタイマー)

1967年から生産。2019年現在、9モデル。

アクアタイマー・オートマティック
638,000円(税込)
自動巻き

 

 

 

Ingenieur (インヂュニア)

1955年から発売。ドイツ語でエンジニアの意味。高い対磁性能に特化したシリーズ。「質実剛健」と謳われるように丈夫な作り。2019年現在、9モデル。

アクアタイマー・オートマティック
984,500円(税込)
自動巻き

 

 

PILOT’S WATCHES(パイロット・ウォッチ)

1936年から発売。ミリタリー、パイロット向けのシリーズ。2019年現在49モデル。

パイロット・ウォッチ・クロノグラフ ・スピットファイア
797,500円(税込)

 

 

 

PORTOFINO(ポートフィノ)

1950年代にハリウッドスターたちが訪れた港町ポートフィノをモデルとしたシリーズ。2019年49モデル。

ポートフィノ・オートマティック
616,000円(税込)

 

 

 

DA VINCI(ダ・ヴィンチ)

レオナルド・ダ・ヴィンチにインスパイアされたシリーズ。2019年現在16モデル。

ダ・ヴィンチ・パーペチュアル・カレンダー・クロノグラフ
3,718,000円(税込)

 

 

 

PORTUGIESER(ポルトギーゼ)

大型のケース、アラビア数字、リーフ針、レイルウェイ目盛りがデザインコードのシリーズ。2019年現在35モデル。

ポルトギーゼ・ヨットクラブ・クロノグラフ
1,424,500円(税込)

 

 

 

 

ロゴ

ちょっと書体がどちらもわからない。

面白いのがIWCは、古典的なローマン体を使用しているのに、シャフハウゼンのほうは、サンセリフ体(20世紀ちょっと前から世に出たスタイル)を使用していること。

他のブランドのロゴでもよくりますが、伝統を守るが、現代にもアップデートしている姿勢を体現するとき、こういう組み合わせがされることが多いです。

 

 

まとめ

IWCには、「実用に適うもの」という意識が高く、装飾性が低く、シンプル。飾らない

 

参照

※ ご存知ですか? IWCのロゴにある「SCHAFFHAUSEN」の深い意味

※ IWC on Wikipedia

※ インターナショナル・ウォッチ・カンパニー on Wikipedia