(写真:Style Caster and David Fisher/Shutterstock)
シャネルを知らない人は、日本においてそうそういないであろうし、創業者であるココことガブリエル・シャネルについて知る人も少なくない。彼女について書かれた本は、日本語で書かれたものでも何冊もあります。
ここでは、知られていることを軽く押さえつつもシャネルというブランドを今一度振り返ってみたいと思います。
シャネルは、創業者であるココからつい最近までディレクターが1回しか変わっていない稀有なハイファッションブランドでした。昨年、カール・ラガーフェルドが他界するまで、シャネルのディレクターは、ココとラガーフェルドの二人だけでした。
そして現在は、Virginie Viard(ヴィルジニー・ヴィアール)。
(出典:WWD。ヴィルジニー・ヴィアール=「シャネル」ファッション・コレクション・アーティスティック・ディレクター KARL LAGERFELD (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC)
ヴィルジニー・ヴィアールさんは、よく報道されていたようにされていたようにカール・ラガーフェルド氏とともに30年間以上仕事をしてきた方で、ラガーフェルド氏の後任ということでとてもプレッシャーを感じそうなところ、インタビューでは、「忙しいのが好き」、「チームワークを大事にしていて、上下関係を感じることはない。わたしは自分をディレクターだと思っていないし、だからこそ全てがスムーズに運ぶ」と答えていて、淡々と猛進していきそうな気配が心強い。
さて、彼女が写真で身につけているのは、シャネルのコンセプトを体現しているとも言える「Little Black Jacket」。シャネルのジャケットは、だいたい数十万円から百万円以上。男性服を拝借して着ていたココの活動的性、従来的な考えに対しての反骨的な姿勢の反映でもあるツイード生地が使われています。着崩れしないように裾にチェーンが縫い付けてあります。
ほぼ孤児として幼少時代を孤児院で過ごす。コルセットに押し込められいた女性をスポーティでカジュアルなスタイルへと開放したと言われていますが、ガブリエル以前にもコルセットからの開放に貢献したデザイナーはいました。それでも彼女の貢献は、大きかったでしょう。修道院を出た後は、最初は、仕立て屋として働く。それからキャバレーで歌手になる。そこでココと呼ばれるようになりました。そこで繊維業者の相続人であり、元騎兵将校のエティエンヌ・バルサンと出会い、懇意になる。彼の支援のもと、帽子のデザインを始め、またハイソサエティにおける生活に突入し、そこの文化を学び、吸収し、自分のスタイルを形成していきます。
ウーマンリブ的な古い価値にとらわれない女性像として観られていますが、実際に彼女は既成概念をどんどん壊していき、新たなる居心地の良い洗練をファッションで体現していきます。彼女自身が美しかったことも有り、自分がそのまま宣伝にもなったようでした。
いつもパトロネージにより事業を興し、発展させてもいます。だから「男性からの独立!」という無駄に肩肘を張った哲学ではなく、もっと自由に既存を疑っては壊して新たな価値を創造していくことをもとめていました。
ほとんどパンクです。
とかんがえると、現ディレクターのヴィアールの写真に納得がいきます!
彼女が去ったあとのシャネルは、凋落していきますが、カール・ラガーフェルドがシャネルのデザインを徹底して研究してからそれを再構築するという天才的な手腕を見せて復活していきます。
Karl Lagerfeld(カール・ラガーフェルド)
Christopher William Adach – https://www.flickr.com/photos/adach/14071166986/, CC 表示-継承 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=32540021による
その復活劇をみたLVMHのベルナール・アルノーは、ディオールを買収したとも言われています。
シャネルの所有者は、現在フランスの大富豪、アラン・ヴェルテメールとジェラール・ヴェルテメールの兄弟。
話をすこしガブリエルに戻しますが、彼女は、既存の貴族女性たちのスタイルに対しての反駁の精神があるので、そのスタイルはシャネルのデザインの随所に現れています。たとえば、彼女は「本物」を誇る考えに対してのカウンター精神から、シャネルの宝飾品は、イミテーションが使われています。装飾を配し、シンプルにしていくことも装飾過多な既存のスタイルに対してのカウンターで、シャネルの有名な香水、Nº5もとてもシンプルなボトルデザイン。それでも少しずつ 少しずつ変わってきています。
そんなシャネルのシンプルに削ぎ落として形成する美、というスタイルは本としても具現化されています。
イルマ・ブームによる香水Nº5の本では、インクが一切使用されていません。
(出典:Wired「インクを使わないシャネルの本:イルマ・ブームの作品集」)
ちなみにこの本の厚さは、Nº5にあわせて5センチ。
Deloitteの調査では、Global Powers of Luxury Goods Top 100、FY2017においてシャネルは6位です。。
沿革は端折って、さてそんなシャネルの商品はいくらするのでしょうか?
価格と画像は、公式サイトを引用。
(ジェイトゥエルヴ)2000年デビュー。オールセラミックス。最初はオールブラック。2003年に白が発売されました。昨年、「何も変えずに全てを変える」というコンセプトに大リニューアルして、一見違いがわかりませんが、新しい自動巻きが使用されています。自動巻きなのでもちろん機械時計。時計なので、時計カテゴリーでアイテムを独自に後日取り上げたいとおも思っています。
J12
高耐性ホワイト セラミック、ステンレススティール
695,750円(税込)
•ピアス
94,600円(税込)
•トップ
743,600円(税込)
•ジャケット
792,000円(税込)
•ベルト
124,300円(税込)
•ブレスレット
139,700円(税込)
•バングル
226,600円(税込)
•スカート
304,700円(税込)
クラシック ハンドバッグ
660.000円(税込)
ショートブーツ
157,300円(税込)
このCを2つ重ねたモノグラムは、ガブリエル・シャネル自身がデザインしており、1920年代から疲れています。
シャネルのジャケットは、上記のように数十万円から百万円くらい。
ちなみにシャネルのデザインを模した製品はいっぱいありますが、創業者のガブリエルは、それをあまり気にしていなかったようです。
模倣されればされるほど有名になるし、有名である証だと捉えていたようです。
貫禄!
オートクチュール:フランス語 haute couture。オーダーメイドで作る服のこと。
クチュール:couture。フランス語で「仕立て、縫製」を意味する。
クチュリエ:couturier。フランス語で男性のクチュールのデザイナー。
プレタポルテ:フランス語で高級な既製服を意味する。prêt-à-porter。