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2020/01/08
【良いモノ・アーカイブ】№29 COMME des GARÇONS(コム・デ・ギャルソン)_ファッション
筆者:大田忍

(出典:GXO「川久保玲の私服から覗く「コムデギャルソン」の世界観」2019年7月10日

 

フランスの哲学者、ジャック・デリダの提唱した「脱構築(discontruction)」を具現化したとも言われる川久保玲のコムデギャルソン

 

コムデギャルソン公式サイト

 

まずコムデギャルソンってどんな意味かきになりません?

Comme des は、英語で言えば、Like a みたいな意味で、Garçonsは、「男の子たち」という意味。レストランの給仕さんらも「ギャルソン」と言いますね。

というわけで、「コムデギャルソン」は「男の子たちみたいな」という意味です。

設立されたのは、1969年。それまで、創業者の川久保玲さんは、旭化成の宣伝部を経て、フリーのスタイリストでした。1942年生まれなので2020年10月で78歳。

 

80年代にパリに進出した際、「ボロルック」と言われた、不規則に穴の合いたニットの重ね着スタイルは、ファッション業界に衝撃を与えました。賛否両論でしたが、意図するところは、既存のモードに対してのカウンターでした。

成実弘至氏の『20世紀ファッションの文化史』(※1)によれば、 同時代の山本耀司らとともに川久保玲のブランドは、日本では「前衛」のレッテルをはられながらもマーケットから十分な支持が得られたので、次は世界に自分らのブランドを問うというフェーズに入って、パリを皮切りに、世界に進出していった流れがありました。

 

川久保玲の凄さは、デザインのみならず経営の手腕もあるところです。彼女は、デザイナーであると同時に経営戦略も練り、スタッフたちを束ねていき、今日に至るまで、つまり創業から50年ちかく企業を発展させてきています。これはちょっとあまり例をみないのではないでしょうか。

 

脱構築ということばにすべて集約させてはいけないと思いますが、というのもトタンに他のファクターを削ぎ落としてしまうから、とはいえ、彼女は、ガブリエル・シャネルがそうした様に既存のモード、スタイルに疑問をいだき、それとは異なるアプローチを体現することを目指してきました。商業的に成功しながら。そこにはまたパンクな姿勢が伺えます。だから、ショップのスタッフたちもパンキッシュなスタイルの方も少なからずいらっしゃるし、デザインにもその気配は伺えます。

 

コムデギャルソンの偉大さについては、youtubeでMBさんがわかりやすく解説しています。

 

それにしても、ファッションというのは、哲学であり学問だなぁとMBさんの解説を聞いていると強く思います。

この動画でも解説していますが、

モードとは?

への回答に黒が含まれるようなったバラダイムを作ったのが、コムデギャルソンです。

 

ちなみにわたしは、いわゆるノームコアというスタイルで、ノームコアとは、ノーマル(normal)とハードコア(hardcore)を組み合わせた造語で、ハードコアな普通みたいな意味なんですが、いつも同じ服を着ています。そして着ているものの半分くらいがコムデギャルソンなんですが、理由は、

シンプルでかつちゃんとしているから。

Tシャツをジャケットのなかに着ているのですが、Tシャツが「フォーマルなニュアンスを感じるほどちゃんとしている」ことが、カジュアルなのに、ちゃんとしているという気配を作ってくれています。同じ理由で、腕時計は、タグ・ホイヤーのLinkです。カジュアルとフォーマルの間のフォーマルに少し寄ろうしている重心の姿勢って意味です。

 

 

 

ロゴ

 おそらく(Neue) Helveticaがベースになっています。とまあ、Helveticaをロゴに使用している企業やブランドは多いです。個性を出したい企業も消したい企業も。だからデザイナーたちは、使いたがらないことも多い。それでもHelveticaがもつレガシーは正視しておいたほうが良いでしょう。

 

 

 

参考

※1 成実弘至 『20世紀ファッションの文化史』