BRANDING TAILOR

BLOG

2019/10/29
【良いものアーカイブ】_2_ 雄勝硯(おがつすずり)
筆者:大田忍
あんまり必要がないけど欲しくなって買ったものに宮城県石巻市で生産される日本の伝統工芸品があります。

雄勝硯(おがつすずり)

「ってか、硯(すずり)ってなに?」
という疑問を持つ方も多いでしょう。調べても
「墨を水で磨り卸す(すりおろす)ために使う文房具」
とあるも、
「墨を水で磨り卸す? 墨汁で良いんじゃないの?」
とわたしは思ってしまっていました。
 墨には、そもそも
  • 固形墨
  • 墨液(墨汁)
の2種類があるそうです。
参照:墨運堂

このうちの固形墨を使うときに必要になるのが、

固形墨を硯で、削りながら水に溶かして、墨を作るわけです。
そのために必要なのが

硯と固形墨

墨汁は便利で楽ですが、
墨の粒子が揃いすぎていて、深みのようなものが欠けるようです。
硯は、固形墨を削るためにザラザラしている必要があるのですが、このザラザラを
鋒鋩(ほうぼう)
と呼びます。
天然石でできた硯にのみ、この鋒鋩があります。墨汁しか使わないのであれば、天然石ではないプラスチックやセラミックの硯でもよいのですが、固形墨を使うなら天然石の硯ではないというけないわけです。鋒鋩が必要だから。
参照:書道入門「硯の選び方 素材の産地で選ぶ!」
硯の産地:中国と日本
硯の産地は、中国と日本画メイン。中国産の硯を「唐硯(とうけん)」、日本産の硯を「和硯(わけん)」と云います。

唐硯

  • 端渓硯(たんけいけん)   広東省
  • 歙州硯(きゅうじゅうけん)    江西省
  • 洮河緑(とうがりょくせきけん)    甘粛省    ※ほぼ無い。
  • 澄泥硯(ちょうでいけん)    山西省

和硯

  • 赤間硯(あかますずり)  山形県宇部市
  • 雄勝硯(おがつすずり)   宮城県石巻市
  • 雨畑硯(あめはたすずり)    山梨県早川町
  • 土佐硯(とさすずり)    高知県幡多郡三原村
で、今回紹介するのは、和硯の雄勝硯。
その文鎮。
1500円(税別)。
この他に皿もあり、そちらのほうが使う頻度が高いでしょう。
わたしは、ひんやりとした触感とモノリスのような見た目の文鎮を、ノートや書籍、メモを押さえるために購入しました。
こちらが雄勝硯生産販売協同組合のウェブサイトです。
購入は、代々木上原のRound Aboutでしましたが、期間限定のため、取り扱いがあるかどうは、事前にお問い合わせください。
ちなみに石英、銅、鉄などがこの天然石の中に含まれています。
使い心地ですが、わたしのデスクは黒いので、馴染みすぎて見えなくなります(笑)。
眺めながら、
これなんかに使えないかな?
と本末転倒なアイデアの逆転が起こります。本来は、目的があって購入するものなのに、硯って何かにつかえないか?と考え始めてしまいます。
もちろん、文鎮としては使うのですが、この触感や見た目は歴史を別の何かとに使いたいなぁと考え始めてしまいます。
これがまさにセレンディピティ(役に立つかもしれないと思ったがものが、ときどき急にすごく役に立つこと。立たないですんだら、セレンディピティじゃないかも?(笑)でもそのときが来るまでわからない)。