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2019/04/09
日本人がよく知らない「イタリック体」(1)
筆者:大田忍

ビジネスパーソンに向けたデザインの話(3)
日本人がよく知らない「イタリック体」

日本語書体にはなくて、
欧文書体にはあるもののひとつが、この

「イタリック体」

です。

 

ビジネスパーソンがどうして
「イタリック体」について
ある程度知っておかなくていけないのか

というと

ウェブサイトにしろ、
パンフレットにしろ、
間違った欧文表記をしていることに気づかずに
欧米圏のビジネスパートナーに向けて
制作しがちだから

です。

「流暢に英語喋らはるけど
文化的な常識みたいなものは
よう知らへんのやな」

というように思われるのは
望ましくないでしょう。

何も、常に
欧米圏への忖度をすべし、
という価値観をベースにしているわけではないのですが

企業発のものが、間違った欧文の取扱をしていることは
避けたほうが良いことは間違いないでしょう。

 

さっそくですが、

日本人が間違って使いがちの表現から紹介します。

 

例は、小林章氏の『欧文書体』(美術出版社)(※1)から拝借しています。

わたしたちに、日本人は強調に「こんなふうに」鉤括弧(かぎかっこ)を使うことがあります。または太字にしますが、太字にする手間を省いて鉤括弧を使います。欧文では、それに加えて大文字にして、さらに強調しようとしてしまうこともあります。

これは、欧文の世界から観ると、とても違和感のある使い方になります。そして正しくは、下のイタリック体を使った表現になります。

(最近では、欧文でも強調のために“”を使っている文章を散見します。それでも厳しく言えば、これは誤用です。)

 

イタリック体は、ローマン体(イタリック体ではない字形のもので、縦にまっすぐの形をしているもの)よりも、線が少し細いので、強調したいわたしたち日本人は、頼りなく見えます。そもそも、縦書きを源流にもつ日本語圏のわたしたちには、イタリック体みたいなものは慣れ親しむ機会がありませんので、「これでいいの?」感が否めない。でもこれでいいんです。

 

では、イタリック体って、どういうときに使うのでしょうか?

 

これが意外に簡単で、それこそ日本語で鍵括弧を使うときに近いんです。

 

イタリック体の用法

  • 強調するとき
  • 引用
  • 出版物(本の題名など)
  • 他国語

 

たとえば、わたしが今朝、読み終えた、
村上春樹の『騎士団長殺し』は、

と表現します。

 

これを知っておくと、ついつい、社のスローガンを

「具体化。」

としたとき、それを

“SHAPING IDEAS”

と表記してしまうかもしれません。

これを

と表現するのが正しいわけです。

 

ちなみに、このスローガンは、

昭和電工のグループスローガンです。

わかりやすく、浸透しやすく、強い、

素晴らしいスローガンですが、

同社はちゃんとサイトの英語版では、

イタリック体を使用していました。

 

次回は、

•そもそも「イタリック体」って何?

•「イタリック体」と「斜体」は違うぞ!

という話をさらっとしたいと思います。

 

 

※1『欧文書体』小林章(美術出版社)