メゾン・マルジェラには、この他にMM6というラインがあり、そちらはロゴが別。
このロゴのベースになっている書体は、Goudy Old Style。オールドスタイルのセリフ体。ただしGoudyのiは、ドットがダイヤになっているのでそれを丸のドットに変更されています。
これが、Goudy Old Style (Bold)。
デザイナー:Frederic W. Goudy
デザイン年:1915年 ※1
Goudyは、アメリカの書籍およびタイプデザイナー(1896–1941)。
またMM6のロゴは、サンセリフ体が使用されており、こちらはハーブ・ルバーリンデザインのAvant Garde Gothicがベースになっています。
※カッコ内はファミリー(太さ)
デザイナー:Herb Lubalin, Tom Carnase
デザイン年:1970–1977年
Avant Garde Gothicは、サンセリフ体のなかでジオメトリックに分類され、いわゆる幾何学的で現代的(モダンな)書体です。
Avant Gardeという雑誌のロゴ用にデザインされた書体です。
自転車のLOUIS GARNEAUのロゴもこのAvant Garde Gothicです。
そして、マルジェラのカレンダー タグと言われる数字が羅列されたタグに使われている数字は、Arialという書体です。
デザイナー:Robin Nicholas, Patricia Saunders
デザイン年:1982年
ジョン・ガリアーノが就任して、メゾン・マルジェラの売上は倍増したそうです。扱いやすく、魅力もあり、ガリアーノの再起を喜ばしくも思います。ただマルタンらしさは、削り取られ、希薄しているように感じます。それを悪くも悲しくも思わないのですが、メゾンが、マルタン・マルジェラからマルジェラに変わって理由をそこにはっきりと感じます。
でもストアにいくとグランドピアノに白い布が掛けられ、スタッフはマルタン・マルジェラがデザインした白衣のようなスーツを来ています。その変容と保持の両方をわたしは享受していますし、自身マルジェラのいくつかを愛用し続けています。
※1 Goudy Old Style on Wikipedia
※2 Youtube MBチャンネル「マルジェラのレザー、ヴェトモンのアウターは何故高い?デザインの理由を哲学や歴史を元に解説します。」
※3 中野香織『「イノベーター」で読むアパレル全史』
※6 Maison Margiela on Wikipedia
※7 The New York Times Style Magazine: Japan 「マルタン・マルジェラの影の立役者/ジェニー・メイレンスとは」