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2020/05/29
【ロゴ・アーカイブ】№44 Cutipol(クチポール)_テーブルウェア
筆者:大田忍

(Quoted: Behance)

ポルトガルのカトラリーブランドCutipol(クチポール)のロゴ。

 

ロゴのベースになっているのは、いわゆるモダンローマンというカテゴリーに入るセリフ体。

セリフ体は年代順に

ヴェネチアン・ローマン
オールド・ローマン
トランジショナル・ローマン
モダン・ローマン

というカテゴリーがあります。

モダンローマンは、18世紀後半にフランスやイタリアで開花したデザイン。文字の端にあるセリフ(ひげのような部分)が、ヘアラインといわれるように直線的なのが特徴。

セリフ体は、時代とともに印刷技術が発達し、細い線もつかえるようになってきて、文字のコントラストが少しずつ強くなっていきます。

銅版刷りはさらに細い書体が可能になりますが、活字という手彫りになっていきます。

モダンローマンは、「洗練された」そして文字通り「モダン」な印象を与える種類の書体です。

Cutipolのロゴは、オリジナルですが、Bodoniが近い書体です。

Bodoni

デザイナー:ジャンバティスタ・ボドニ(Giambattista Bodoni)、モリス・フュラー・ベントン(Morris Fuller Benton)

デザイン年:2000年(デジタル化された)、モリス・フュラー・ベントンによるデザインは20世紀初頭

 

もともとはジャンバティスタ・ボドニ(Giambattista Bodoni)という18世紀後半から19世紀に初頭を生きたイタリア、パルマの書体デザイナーがデザインした書体。それをモリス・フュラー・ベントン(Morris Fuller Benton)が見出し用作った活字書体をベースにしてデジタル化したもの。Bodoniという名が付きながら、ジャンバティスタ・ボドニの書体からはかなり遠いものになっています。

近いのはITC Bodoni。文字の大きさに合わせてデザインを変えているところなど忠実に再現しています。

 

モダンローマンは洗練されてモダンである印象を与える書体

VogueやELLEなどのロゴに使われているのもモダンローマン。

ファッションというものの本質が「つねに洗練されていくもの」であることを体現するにはもってこいの書体デザインなわけです。

なので、Cutipolも「歴史ある洗練さが根底にある」というブランドを体現させるためにモダンローマンを使用しているのですが、リブランドした際に書体のターミナルなどを使って全体的にシャープな印象なるに仕上げています。

イタリックを使っていますが、それはカトラリーは「動きのあるもの」だということが背景にあります。よってPORTUGALはイタリックではありません。ポルトガルは動かないので。ただしここの部分、以前はオールドローマンを使っていましたが、リブランドする際に幾何学的なサンセリフに変更しています。歴史的なブランドながら現代に合わせて常にアップデートしている意図を表す際によくセリフとサンセリフの両方をロゴに使用します。

PORTUGALに使われている書体はは、Andisという書体が近いですが、幾何学的なので、未来的、合理的、数理的な印象を与えます。洗練されながらもカッティング・エッジ(最新)という意識がロゴに込められているのがわかります。

リブランドされるまえとの対比は、こちらのサイトが参考になりました。

Behance “Cutipol, rebranding

 

Cutipol 公式サイト

クチポールは1963年にJosé RibeiroとAlice Marquesの夫妻によって創業されたポルトガルのカトラリーブランド。

同ブランド内のGOAというシリーズがもっとも有名です。

こんなふうに作られているカトラリーです。