人の感情を探るとき、相手の表情を見ますが、実は表情で人の感情はあまり解りません。微表情から人の心理を下る研究もありますが、あまり良い結果が出ていません。 アメリカ合衆国の空港で上、セキュリティーに表情分析が取り入れられていますが結果は、正しい犯人を捕まえる確率は1%以下しか上がらなかったというものでした(※1)。
実は、表情より声に注目したほうが心理を読むには良いようです。 イエール大学の1,800人の男女を対象にした研究で、 ①相手の顔だけ見て心を読む ②声だけを聞いて心を読む ③声と顔から心を読む というグループに分けました(※2)。 その結果は、声だけを聞いたグループが圧勝。表情に頼らずに声だけで相手の感情を判断した方が、他人の心をただ正確に見抜けました。
研究者たちは、大切なのは聞くことだ。向こうが何を言ってるのか、どのように行ったのかについて考えると相手の理解も深まり、両者の関係性はより良くなる可能性が高い、と述べています。
2017年のイギリス、スターリング大学の学生を対象とした研究で、「相手が自分よりも格上だ」と感じた時、学生の声は明らかに高くなりました。(※4) 逆に「相手を自分より格下だ」と思った時学生の声は低くなりました。
どうしてこういう傾向が出てくるのかと言うと、低くて男らしい声は、支配的な印象を与えるから。特に男性にはその傾向が強く、声が高くなると間逆の印象を与える。つまり「相手を自分より格上」と感じたとき、従順さを示すために声を高くしています。「相手に対して競争心がない」ことを示すために、声を高くするようです。
2013年のカリフォルニア大学の792人の男性の上場企業のCEOの声を比較した研究では、CEOの声が低いほど企業の規模が大きくなり、年間の報酬も多いことがわかりました。(※5) 具体的には音声ピッチ(22.1Hz)の四分位範囲の減少は、企業規模の4億4000万ドル(約440億ドル)の増加、CEOの年間報酬の18万7千ドル(約2000万円)の増加に関連しました。
以上の話を聞くと以上の話からは、人は相手を見下した時、または自分が結だと感じているときは声が低くなると言う事ですが、恋愛の場合は少し意味が変わってきます。30人を対象とした小規模な研究(※3)ですが、「魅力的な相手を目にすると声が低くなる」ことが判明しています。 男女ともに見られる傾向でしたが、特に男性の方が強くこの傾向が出ました。推測される理由は、男性ホルモンの強さ。男性ホルモンが強いと声が低くなります。男性ホルモンの強い男は、競争に勝ちやすいが故にモテる。 その傾向している私たちの遺伝子は、モテたい時声を低くするようです。
この実験では、男性は「この人と付き合えるかも」と思った時声の平均ピッチが下がりました。女性からも好意を抱いている場合、特にピッチが下がりやすかったそうです。
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※1 Airport security: Intent to deceive?
※2 Voice-only communication enhances empathic accuracy
※5 Voice pitch and the labor market success of male chief executive officers
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