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2018/04/26
経営者に向けたデザインの話(1): なぜ経営とデザインの距離が近くないといけないのか
筆者:大田忍

 

デザインと経営は、これから一層、その距離を縮めていくべき時代にあります。
理由はいくつかあります。
そのひとつは(その他はまた別の機会に!)、

今、サービスを含めた商品に、クオリティの差があまりなくなってきているためです。

良質であるということは、もう大前提になってしまっています。
その視点で、広告を見てみるとよく分かるのではないでしょうか。
たとえば以前スポーツシューズは、
その機能を前面に出してアピールしていました。
クッション性や通気性、軽さ、スピードへの貢献など。
しかし今、ナイキ、アディダス、アシックス、CMでアピールしているのは、
商品の機能ではなく、企業哲学です。
コンサルタント企業コーン・フェリー・ヘイグループの山口周さんの
「全てのビジネスはファッションビジネス化する」と述べています。
どういうことかというと、
「そのサービス・商品を選んでいるということがそのままその人を表す属性になる」
ということです。
スタバでMacのノートパソコンを開いて仕事をするという姿を揶揄したり、
スタイルとしてのひとつの典型として扱ったり、よくされていますが、
これがその現れです。
詳しく述べていくと「ライフサイクルカーブ」ということについて説明する必要もあるのですが、
それはまた今度にしましょう。
アルマーニのスーツが意味するところは、
アルマーニを選んで身につけている人が、
「そうのような人」なんだ、という認知を内外にさせる、
ということです。
これとおんなじことが、
パソコンであるアップルの製品にも当てはまるようになっています。
そういう意味では、
アップルは、IT企業というよりもファッションの企業だと捉えられるということになります。
アップルは、先進的であり、挑戦的であり、美しさを求めるラディカルでファッショナブルな企業、
と考えられ、
その商品を使っている人は、その企業姿勢に、共感している人、
として捉えられます。
さて、これがどうデザインに結びついていくのか。
それは、

この企業姿勢、企業哲学を目に見えるようにするのがデザインだからです。

デザインよりも機能などを重視した企業が淘汰されはじめています。
わたしたちは、いつのまにか多少の不便よりは、
それらを使っている、身につけているということを意識して
商品・サービスを選ぶようになってきました。
しかも
美しいとか、かわいいということだけでは、
選ばられる要件を満たしません。
それらに企業姿勢や理念が含まれている必要があります。
だからこそ、
経営とデザインが近い距離である必要があるのです。
ところでこの企業姿勢・理念をデザインとして可視化することを
一言に換言できます。

それは、ブランディングです。

アートディレクターの水野学さんは、
実にわかりやすく、
ブランドを「らしさ」と表現しています。
この「らしさ」をどのようにして作っていくのか、
ということは次回、またお話させていただきたいと思います。
大田 忍