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2021/06/26
質問による調査は正確ではないことが多い。その理由となる「6つの反応バイアス」
筆者:-

質問は難しい

心理学などの研究では、多くの質問フォームを使って調査を行います。しかし質問の仕方によっては、回答に歪みが生じます。むしろ歪みが生じないような質問を作ることのほうが難しいほど。このように回答をする際に、正確ではない回答をしてしまうことを「反応バイアス」といいます。ここでは6つの反応バイアスを紹介します。

反応バイアス

反応バイアス(Response bias)とは、

質問に対して回答者が不正確な回答や虚偽の回答をしてしまう幅広い傾向

です。反応バイアスは、さまざまな要因によって発生しますが,いずれも、回答者受動的に応答するのではなく、情報源を能動的に統合し、応答を生成するという考え方に関連しています。

6種類の反応バイアス

反応バイアスには次の6種類があります。

(1)黙認バイアス(Acquiescence bias)

黙認バイアスとは、質問調査において回答者が、内容に関わらず、「イエス」と答える傾向です。回答者の10%〜20%は、黙認バイアスを取ると言われています(※2)。「同意バイアス(agreement bias)」とも呼ばれます。東アジアの文化で強く見られるバイアスです。

(2)礼儀バイアス(Courtesy bias)

質問者に対して礼儀正しくあろうとするために、サービスや製品に対する不満を十分に述べない傾向。文化によりばらつきがあり、アジアやヒスパニック系の文化によく見られます。

(3)需要特性(Demand characteristics)

需要特性とは、実験に参加しているというだけで、参加者が、反応や行動を変えてしまうバイアスです。参加者が、実験に積極的に参加している場合、参加者は、実験の目的を把握しようとしたり、実験の場にふさわしいと思われる行動をとったりすることで生じます。参加者は、実験が重要であると信じているため、ボランティアとして研究に参加するとき、実験で検証されている仮説を知り、その仮説に有効であろう反応をしようとしてしまいます。また仮説を支持しようとせずとも、参加者は仮説を発見しようとして、歪んだ反応を示し、結果、仮説を破壊することもあります。

(4)極端な回答(Extreme responding)

極端な回答とは、回答者が最も極端な選択肢や回答のみを選択する傾向。1~5までの回答が可能な設問(リッカートスケール)を使用したアンケートでは、回答者は1または5の回答しかしないことがあります。

別の例としては、そのような回答スタイルのアンケートで、参加者が「強く同意する」または「強く反対する」でしか回答しない場合があります。

極端な回答が起こるには、いくつかの理由があります。これもまた文化によって強弱があります。中東やラテンアメリカ出身者は過激な反応の影響を受けやすく、東アジアや西ヨーロッパ出身者は影響を受けにくいという研究結果があります(※3)。また「極端な回答」は、参加者の教育レベルに関連しており、教育レベルが低いと黙認したり、極端な回答をしがちになります。国レベルになると極端な回答は、国の平均IQの低さが予想され、黙認的な反応は、お色の多さを示すことが多くなります(※3)。

(5)質問順序バイアス(Question order bias)

質問順序バイアスとは、回答者が、質問の順序によって、異なる反応をする傾向です。「順番効果バイアス」とも呼ばれています。質問順序バイアスを起こす方法のひとつは、公平性や互恵の精神。1950年にハーバート・ハイマンとポール・シーツリーが行った研究で、回答者たちは、次の2つの質問は、最初の質問で「はい」と答えるとつぎの質問でも「はい」と答えるべきと感じてました。

•アメリカは、共産主義国の記者がアメリカに来て、見たままのニュースを送り返すことを認めるべきかどうか
•ロシアのような共産主義国がアメリカの新聞記者が来て、見たままのニュースをアメリカに送り返すことを認めるべきかどうか

どちらかの項目が、2番目に質問された場合、1番目の回答の結果として項目の文脈が変化し、2番目の回答は、前の回答に基づいて公正と考えられるものに沿ったものとなりました(※4)。

(6)社会的望ましさバイアス(Social desirability bias)

社会的望ましさバイアス(Social desirability bias)とは、社会的に望ましい側面のみを報告し、望ましくない側面を報告しない傾向です。

対策・応用

研究者のみならず、企業も行う「アンケート調査」には歪みが起こりうることを知り、必要があれば施策をとる

経営者やマーケティングの専門家、人事の担当者たちが陥りやすいバイアスに、「サロゲーション(Surrogation)」というバイアスがあります。これは、指標値そのものを実態と思い込むことです。アンケート調査を行って、「満足度が10点満点中9.8であった」という回答が、満足度を正確に表しているとは限らない。この正確さを高めるためには、反応バイアスをできるだけ避ける必要があります。反応バイアスを避ける施策はいくつかりますので、※1のBallot-box Methodなどを参照してください。

関連した認知バイアス

•社会的望ましさバイアス(Social desirability bias)
社会的に望ましい側面のみを報告し、望ましくない側面を報告しない傾向。

認知バイアス

認知バイアスとは進化の過程で得た武器のバグの部分。紹介した認知バイアスは、スズキアキラの「認知バイアス大全」にまとめていきます。

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参照

※1:Response bias

※2:Improving social media measurement in surveys: Avoiding acquiescence bias in Facebook researc

※3:Are acquiescent and extreme response styles related to low intelligence and education?

※4:Encyclopedia of Survey Research Methods

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