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2020/12/21
【ビジネスに使える科学 002】一を見て十を知った気になってしまう「ハロー効果」
筆者:-
今回は、認知バイアスのひとつ「ハロー効果」について。
noteでもおおたしじみ名義で同じ記事をアップしています。
https://note.com/shijimiota/n/nfcb908a0c76a

認知バイアスとは

認知バイアスとは、認知の歪みです。錯覚のようなので、正しくない認知で、例えば、「バイアスの盲点(Bias blind spot)」というバイアスがあります。これは、自分は偏見が少ないと考えるバイアスです。こうしてバイアスについて紹介しているわたしが陥りやすいバイアスです。

こちらで190以上ある認知バイアスの一覧を紹介しています。

さきほどの「バイアスの盲点」は、わたしの一覧のなかでは110番目のバイアスになります。今回は、120番目の比較的有名なバイアスで本も出ている「ハロー効果」について。

 

さきほどの「バイアスの盲点」は、わたしの一覧のなかでは110番目のバイアスになります。今回は、120番目の比較的有名なバイアスで本も出ている「ハロー効果」について。

ハロー効果とは

 ハロー効果とは、ある対象を評価をするときときに、目立った特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる現象です。ハローとは「Halo」で、後光という意味です。なので後光効果とか、光背効果とも呼ばれています。ハロー効果は、関連誤謬(Associartion fallacy)の一種です。
ハロー効果には、ポジティブなものとネガティブなものの両方があります。
具体的な例としては、ポジティブ・ハロー効果ならこんな感じです。
お見合いの相手は、東証一部上場企業の部長をしているAさん。優良企業の部長を努めているくらいだからきっと良い人に違いない、と紹介者は考えました。
英語が堪能なだけで有能なビジネスパーソンだろうと考えたり、金持ちだからできる人だと思ったり、これがポジティブ・ハロー効果です。実際には、上場企業の部長でも人格的に優れていない人はたくさんいますし、英語ができても仕事ができない人、金持ちだが頭の悪い人などもたくさん居ます。
このようにひとつの特徴から他の特徴を勝手に推測してしまうのがハロー効果。ネガティブなハロー効果の具体例は、校則を破る生徒は成績が悪いだろうと決めてかかることや、安そうな服を着ている人を見て、能力が低そうと思うことなど。

関連した認知バイアス「ピグマリオン効果」、「ゴーレム効果」

期待を受けることで能力が高まる効果をピグマリオン効果と呼びます。一方で期待されないことでそのとおりに能力が下がっていくものをゴーレム効果と呼んでいます。
再実験してみると再現性が低かったので、実際にはどれくらいあるのかちとわかりません。でもなんだかありそうな気もします(これもバイアスか?)。ピグマリオン効果についてはこちらで詳しく書きました。ここでも紹介していますが、「期待されないことで能力が向上する負け犬効果」というものもあったりします。面白いですね。

ハロー効果の利用

発泡酒や缶コーヒーのCMに高感度や信頼できそうなタレントが起用されていることが多々あるのではないでしょうか。まあまあ冷静に考えれば、彼ら・彼女らが発泡酒や缶コーヒーを愛用している可能性が非常に低いことは想像がつきます。が、人は些細なことについて「まあまあ冷静に考える」ことをしません。タモリが発泡酒を飲んでいると思わなくても、タモリが発泡酒のCMに出いているのを見て、「その発泡酒はまあまあ美味しいじゃないかな」という印象だけ記憶に残り、購入時にそれを選びがちになります。これがハロー効果の利用例です。
https://youtu.be/MfvK8zjkd9w
実際に、タモリさんや江口洋介さんがこの発泡酒を愛飲しているかもしれませんが、それは問題ではありません。わたしたちは、これを見て、「あのタモリさんが美味しいっていうんだから美味しいだろう」という印象を形成することが、ハロー効果というわけです。実際に飲み比べてみて判断するわけではないんです。
服装や車がビジネスパーソンに大事だと説かれることがありますが、これもハロー効果によるものです。ロレックスのデイトナをしているのを見て、「できるやつかも?」と思うとしたら、バリバリにハロー効果というわけです。より高度になってくるとパテック・フィリップとかヴァシュロン・コンスタンタン、オーデマ・ピゲという「知る人ぞ知る」高級時計になってきます。または今どきなウブロやリシャール・ミルなど。ネット上にはびこる「金があるからビジネスに長けているアピール」をする方々もハロー効果を使うため、高層マンションやベントレーモーターズなどを紹介したりしています。ちなみに高層マンションは、おそらく心理・身体的に快適ではない影響がありそうです。海外の富裕層で高層ビル住まいを好む風潮は、あまりなさそうな気がします。これは調べていませんが。

お得?で手軽な?ハロー効果の利用法

服装でも家の内装でも良いですが、1点から数点、豪華なものを使うと他のものも豪華なものに見えてきます。このとき、安価に購入できるものでも、あからさまに低質に見えないものであるバランスは必要ですが、コーディネートやインテリアで手軽に使える工夫です。
我が家の近所の外から見えるところにルイス・ポールセンのアーティチョークを設置している家があるのですが、勝手に「きっと良質を知っている人だ」と想像しています(笑)。アーティチョークという照明についてはこちらで書きました。

ハロー効果の本

IMD、国際経営開発研究所での戦略と国際マネジメントの教授であるPhilip M. Rosenzweigの著書に、ハロー効果について書かれたものがあります。  ハロー効果以外に8つのビジネス関連の妄想についても具体例を交えて解説していますので、ビジネスパーソンはなかなか役に立つ著書ではないでしょうか。

まとめ

タイトルにも書きましたが、ハロー効果とは「1を知って、勝手にその他の10を知ったつもりになる」認知バイアスです。美人なだけで良い人だと思わないようにしたいものですね(笑)。ただし美人も性格と同列に捉えられる一つの特性でもあります。美人であることで他を過小評価するならそれもハロー効果ということになります。
認知バイアスは、わたしたち人間が全般的に持っている「間違った方向に誘導されてしまうこまった傾向」なんですが、それをなぜ人間が持っているのかというと進化の過程で学習したためです。認知バイアスのひとつ「主体の察知」もあったほうが生き延びやすかったので形成されたものですし、楽天主義バイアスも良い面が多々あります。
ただし楽天主義バイアスを紹介している美人で私のタイプ(メガネをかけている)ターリ・シャーロット博士も述べていますが、
バイアスを知っていることで避けられる危険
というのが大事です。バイアスがあることは否定しなくて良いが、わたしたちにはこういったバイアスがある、ということを知っているととても生き延びやすくなります。
例えば、主体の察知というバイアスを知っていると霊がどうのこうのというたぐいの詐欺には格段に騙されにくくなります。
主体の察知と楽天主義バイアスについては、こちらに書いています。
こんなふうに認知バイアスは、知れば知るほど面白く、利用も悪用もできます。悪用に関しては、ゲーム理論を想起して、連続したゲームのなかにわたしたちが生きていることを前提するとあんまり好手じゃないぞ!ということを知っておいたほうがいいかもです。
ゲーム理論についてはまた今度書きます。