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2020/12/16
科学で健康になる(2)幸福度が上がり、ストレスが減る○○ニング
筆者:-

 

 

『科学で健康になる』シリーズは、エビデンスをベース健康の知識と実際にやってみてわかったことを紹介するシリーズです。

 

答えは、ガーデニング

2015年オーストリアでの論文によると

プライベートガーデンのストレス解消効果がすごく高い

ということ。856人を対象とした調査で、プラベートガーデン、つまり庭ですが、これのストレス解消効果が最も高いということがわかりました。性別と年齢に関係なく。

というのも、わたしたちは、自然によってかなりリラックスする傾向を持っているんです。緑色を見て落ち着くのも、夜に下からの温かい光を浴びると落ち着くのも、狩猟採集生活だったころ得た傾向、性質です。焚き火を彷彿させる光にわたしたちは安心し、緑のある場所が示唆する水の存在に安心します。

自然の効果は、本物ではなくても発揮されます。造花ということではなく、スクリーンセーバーやスマホの待受画面を自然にするだけでもストレス解消、というか元気の回復効果があります。

なので、「庭なんてないよ!」という場合でも、近くの公園を散歩したり、ちょっと運動してみたり、釣りをしてみたり、部屋に植物を増やしたりするだけでも幸福度も元気回復効果も得られます。

仕事する場所に観葉植物を置くと生産性が上がったり、集中力が上がったりもします。

 

そんなわけでわたしの仕事部屋もこのように植物だらけにしています。

画像1

 

そのなかでも庭が最高!というのが先の研究の結論でした。わたしも渋谷から鎌倉に引っ越して庭を得てから、庭いじりを毎日しているのですが、単純に幸せを感じます。カチカチになった庭の土を耕し、ふわふわにしてから牡蠣殻石灰、腐葉土を撒き、土が育つのを待つ、木を植えて日々その状態を心配する、毎日少し水を撒く(まだ土を育てているところなのと寒いので少なめ)等をしているとものすごく満たされます。爪は常に土で汚れてしまいますが。

 

一方で都会に慣れている人たちは自然が苦手でもある

解剖学者だった養老孟司さんの本にこんな本があります。

 

 

このタイトル「ヒトはなぜ、ゴキブリを嫌うのか」の答えは、予定調和であることを求めた結果、自然が苦手になったから。電車のなかで幼児が泣いたり、騒いだりすることに苦言を呈する人たちに、その傾向を見ることができます。子どもというものは、予測不可能な存在です。急に騒ぐし、泣くし、どこかに行くし。それが自然なんですが、わたしたちはいつの間にか予測不可能な自然を支配して、予測可能な世界を当然視する世界に生きるようになりました。予定通り来る電車、予想通りの味など。これを養老孟司さんは「脳化」と呼んでいます。

動物や昆虫が苦手なのは、わたしたちが脳化しているため。苦手を別に克服しなくても良いのですが、「ああ、脳化してるのかぁ」という自覚は、まま役立ちます。

翻ってガーデニングです。土が爪に入って黒くなること、土の細菌が傷口に入ると炎症を起こして腫れたりすること、土を掘るといろいろな虫が出てくること。こうったことに嫌悪したり、不快に思うときに「それは自然から遠のいて脳化した都市に住んでいたからかぁ」と悟るだけで、嫌悪感がかなり減ります。知識というのは、それだけで多くの問題を解決したりします。例えば、インポスターシンドロームというもの。成功すると罪悪感を感じてしまう傾向なんですが、これ、その存在を知っただけで、つまり「インポスターシンドローム」ということを知っただけで、かなり改善します。

 

 

 

昆虫が苦手なのは脳化した世界に住んでいるため

そんなわけで土や昆虫が苦手な状態が、わたしたちの幸福な状態とは少し離れたものであることを知っておくとガーデニングやハイキング、トレッキングなど自然に近づくことが容易になっていきます。

 

 

庭いじりを始めるのに良い映画

自然や昆虫が苦手な主人公が、切羽詰まって庭を整えないと家を追い出される状態になってやむにやまれず庭いじりをするうちにだんだんガーデニングの魅力に魅せられていく映画があります。

「マイ ビューティフル ガーデン(原題:This Beautiful Fantastic)」という映画です。イギリス的な偏屈さ、主人公の可愛らしさ、登場人物たちの服、花、どれもこれも楽しい。

 

 

 

 

庭いじりを始めるのに良い本3冊

まずはナイーブで傷つきやすい心をガーデニングで癒やして生き延びた作家、ヘルマン・ヘッセのこの本。

 

こちらも先の映画同様に読んでみるとワクワクしてきて庭いじりがしたくなってきます。またガーデニングのマインドフルネスさを絶妙な文体で紹介し、読み手に染み込ませてくれます。

 

もう一冊はチェコの作家、カレル・チャペックの園芸家の1年。園芸、ガーデニングを掘り下げるには、ヘッセとチャペックを読み比べるのが楽しく有効です。

 

 

最後の一冊はマニアック。わたしは庭造りを始めてから他者の庭を生まれてはじめてじっくり観察するようになりました。が、なかなか魅力的な庭はありません。住まいと植物をどう融合させるのか、具体的な知識は、わたしたちの庭世界をかなり底上げしてくれます。そんな本がこちら『緑のデザイン』です。

 

 

 

おまけの一冊

俳句の季題をわかりやすく紹介してくれる『こども歳時記』。庭には直接関係がありませんが、季節の移り変わりを強く意識するようになります。そうなると自然、庭の作り方、野菜の育て方も季節を意識したものになり、より深いものになっていくのでおすすめです。加えて俳句の世界にも近づけて日本の文化の理解も進んで楽しい。

 

 

まとめ

わたしたちの多くは、とても忙しい。仕事だけじゃなくて勉強にも忙しいし、育児、夢、ゲーム、趣味、なんでも良いですが、「しなくてはいけないこと」に追われてか追ってか、あっという間に深夜を迎える日々を送っています。

しかしふと立ち止まってなんのために生きているのかと考えることができると「しなくてはいけないこと」ではないかもしれないと思い始めます。雑に言えば、答えは「幸福」なはずです。そして幸福は、夢の成就やビジネスの成功ではなくて、心の状態をノーマルにすることで回帰できるものだったりします。意外なことに。その大きな一歩が自然へ近づくことなのではないかとわたしは考えます。もし日々忙しくて疲れていたら、ぜひ小さな植物ひとつで良いので買って愛ではじめてみてください。