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2021/03/08
「持株会社」ってなに?
筆者:-

 

土曜日なので「経済について少しずつ知る」がテーマ。今回は、「持株会社」って何ってこと。そのメリットとデメリットも。

会社の中には持株会社というのものがあります。パナソニックも2022年に持株会社へ移行する予定です(※1)。この持株会社、なんとなくわかっているつもりでわかっていないので調べてみました。

持株会社とは

英語だとHolding company。企業名で、ホールディングスとついた社名(HDと略して表記されることもあります)の企業がありますが、これが持株会社です。持株会社は、他の株式会社を支配することが目的で作られる会社です。その実態が、本業も行うけれど、他の会社も支配するものと、他の会社を支配することだけを本業とするもののふたつに別れますが、その境目はまあまあ曖昧です。前者を「事業持株会社」と言い、後者を「純粋持株会社」と言います。その他、銀行や証券会社の株主となってグループを統括する「金融持株会社」もあります。UFJグループがその例。

支配するやり方は、名前の通り、他社の株式を保有するというもの

企業は、規模が大きくなると事業を独り立ちさせて、分社化し、子会社とします。これが進んでいくとそれぞれの子会社がおのおので経営をすすめるため、統合して管理できなくなっていきます。ということで管理するための頭が必要となり、それが持株会社ということになります。漫画『寄生獣』なら「後藤」みたいなものです。

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3種類ある持株会社

持株会社には次の3種類があります。(1)純粋持株会社(2)事業持株会社(3)金融持株会社

(1)純粋持株会社
純粋持ち株会社とは、子会社を支配するためだけの目的に設立された会社のことを指します。なので主な事業をこの会社は持っていません。一般的に「ホールディングス」と名前の入っている会社はこの純粋持ち株会社です。

(2)事業持株会社
子会社等を支配、コントロールしながら自社でも事業を行っている会社のことを事業持株会社といいます。支配以外の生産活動を行っているため、子会社からの配当以外にも収益があります。

(3)金融持株会社
銀行や証券会社、保険会社などの金融機関の株主となってグループ内の子会社を統括、支配する会社を金融持株会社といいます。金融機関をグループ化する組織、金融コングロマリットの統括会社。UFJグループなど。

4つある呼び方

日本における持株会社の社名はなんだか4つあります。

(1)ホールディングス(Holdings)
例:ANAホールディングス(9202)、ENEOSホールディングス(5020)

(2)グループ(Group)
例:ソフトバンクグループ(9984)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)

(3)グループ本社
例:大和証券グループ本社(8601)日清製粉グループ本社(2002)

(4)グループホールディングス(Group holdings)
例:アサヒグループホールディングス(2502)、近鉄グループホールディングス(9041)

管理するだけの純粋持株会社はどうやって収益をあげるのか

支配・管理している子会社の収益に応じた配当金を受け取り、それを持株会社は収益としています。事業は行わないが、管理をすることで配当金を得る、これが持株会社の収益構造です。事業持株会社では、自社の事業からの収益もあります。

持株会社が増えてきた理由

持株会社が解禁されたから。1997年まで独占禁止法で禁止されていました。戦後、財閥が解体されるながれで独占禁止法が生まれ、公平な企業間競争を促進しようとしてきました。しかし1997年になって世界を相手に日本の企業力を強化するため、持株会社の存在が必要とされ、持株会社が解禁されました。これが、持株会社が生まれ始めて、増え始めた理由です。しかしなぜ持株会社にする必要があるのでしょうか。

持株会社のメリットとは

持株会社を設けるメリットはおもに3つ。

(1)効率的なグループ経営
複数の企業を統括的に管轄、コントロールできるため、巨視的な戦略を立て、進めることが可能になります。

(2)労働条件を各事業会社ごとに設定できる
ひとつの巨大な会社の中に複数の事業を設けると、人事評価システム及び給与システムなど揃える必要があります。しかし事業ごとに会社を作り、それを管轄すると言う持ち株会社と言うスタイルにすれば事業スタイルに合った労働条件を設けることができます。

(3)M&Aがやりやすくなる
M&Aとは企業の買収や合併のこと。Mergers(合併) and(と) acquisitions(買収)の略。一般的なグループ会社の場合、親会社を買収するとその傘下にある子会社も自動的に買収されることになります。間接的買収です。しかし持ち株会社の場合、傘下にある会社はそれぞれ独立法人なので、その一社が買収されても、他の会社は間接的に買収されると言うことにはなりません。また傘下にある会社を売却する際も、やりやすくなります。

持株会社のデメリットとは

デメリットはおもに2つ。

(1)持ち株会社と事業会社が連携しづらい
これは、メリットにあげた(1)効率的なグループ経営と相反するものになりますが、持ち株会社の傘下にある企業はそれぞれ独立した法人であるため、戦略を立てても、支配力は強力とは言い難くなります。理屈の上では持ち株会社は傘下にある企業を支配しているステータスにあるのですが、実際つは実行力は弱くなり、そういうおデメリットがあります。

(2)コストがかさむ
持株会社もその傘下にある企業もそれぞれ独立しているため、経理や総務といった機能がかぶる部門を重複して設ける必要が発生してきます。事業を企業として分割し、それを支配する持ち株会社を設けるということは、こういった部門の重複なども含めて、経費がそのぶん増加することを意味しています。これがもうひとつのデメリットです。

具体例

画像1

Nitori Holdings Co., Ltd. – Nitori Holdings Co., Ltd., CC 表示 2.5, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=71556567による

(1)株式会社ニトリホールディングス
ニトリは効率化を図るために、①製造、②販売、③物流、④広告それぞれを子会社としています。

株式会社ニトリホールディングスが持株会社。店舗運営は株式会社ニトリ。商品の製造は株式会社ホーム・デコ。物流は株式会社ホームロジスティクス。広告は株式会社ニトリパブリック。ちなみに最後のニトリパブリックは、わたしがもともといた会社です。

大株主は、
(株)ニトリ商事:18.1%
日本マスター信託口:6%
日本カストディ信託口:4.4%

画像2

(2)株式会社セブン&アイ・ホールディングス
東証一部上場企業(3382)の株式会社セブン&アイ・ホールディングスも文字通り持株会社です。持株会社化したのは2005年9月。もともとはイトーヨーカ堂を中心とした企業グループだったのですが、イトーヨーカ堂の業績の伸び悩み、子会社だったセブン-イレブンの業績は好調で、セブン-イレブン・ジャパンの時価総額が筆頭株主のイトーヨーカ堂のそれを上回り、間接的買収をされる懸念が発生したことを契機にして、株式移転によって持株会社が設立されました。

持株会社は株式会社セブン&アイ・ホールディングスで以下の3つの子会社を管理しています。

スーパー事業を運営する株式会社イトーヨーカ堂。
コンビニ「セブンイレブン」を運営する株式会社セブン-イレブン。
レストラン事業を運営する株式会社デニーズジャパン。

大株主は、
日本マスター信託口:8.2%
伊藤興業:7.7%
日本カストディ信託口:5.4%

まとめ

持株会社はメリットやデメリットを知って、ようやくその存在意義というか意味を理解できました。「目的」を理解できると企業体などのつくられた組織の意味を理解しやすくなるようです。

あと持株会社の種類も理解しておくともっと理解が深まりそうです。事業持株会社、純粋持株会社、金融持株会社。金融をわざわざ分けている意味も知りたいところ。

ありがとうございます

読んでくださってありがとうございます。「良いね」やフォローをしていただけると読んでいただいたことがわかってとても嬉しいです。

参照

※1:日本経済新聞「パナソニック、持ち株会社制での新事業体制を発表」

M&A総合研究所『持株会社のメリットとデメリットとは?設立方法や増加の背景に迫る!』

https://globis.jp/article/7278