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FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド、翻訳:上杉 周作、関 美和

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  • ジャンル:
    自然科学・哲学
  • 読了時間:
    1時間
  • 形態:
    Kindle
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 評価:
    必読書

頭の良い人ほど間違える
世界の実態と思い込みの違いを知って
わたしたちが始めること

ビルゲイツが、希望する大卒者全員に贈呈したと帯にあるのですが
彼は、「サピエンス全史」も絶賛していて、この「ファクトフルネス」と
「サピエンス全史」には通底しているものが、あって
それがビル ゲイツの心を強く打つのではないかと思いました。

それは、わたしたちが思い込んでいる世界と
実際との違い、ギャップが深くあるということへの
明晰な気付き。

サピエンス全史では、
狩猟採集民はさして不幸ではなかったどころか
農耕民になってから人類には不幸が発生したこと
など、驚くべき史実(もちろん推測の部分も多いが、それでも多くのエビデンスを基にしている)
が詳らかにされていました。

このファクトフルネスでは
テーマが「思い込みを正す」というだけに
(ニュアンスとしてはそんなに偉そうではないです。ここちの良い、軽快な文体だし、悪質なエゴ、ヴァニティも見受けられません。)

よりフォーカスが小さく、

エリートほど勘違いしている世界の誤解を
ひとつひとつといてくれます。

人間の誤解は本能的なものとして、それを10にカテゴライズしています。

犯人探し本能、焦り本能、宿命本能、分断本能……。

世界はそんなに不幸ではない、

発展途上国は、いまほとんどない、

ページをめくるたびにあなたは驚くでしょう。

 

加えて、この本の素晴らしいところは、
これがひとつの命の凝縮であるところです。

著者名が3名もいる理由もそこになるのですが、
それは自ら読んで、意味するところを知っていただきたい。

ハンス ロスリング氏のTEDの講演
を観れば、彼の能力の一部をすぐに理解できるので
読む前でも後でも一度見てみることをお勧めします。

 

(2019/01/29)