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スリープ・レボリューション
アリアナ・ハフィントン、本間 徳子

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  • ジャンル:
    自然科学・哲学
  • 読了時間:
    40分
  • 形態:
    Kindle
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 評価:
    必読書

仕事でも人生でも「最高の結果」を出すことは
「最悪の体調」であっては明らかに不可能

この本にも何度も出てくるが、
「寝たら負け」(You snooze, you lose.)という考えは
今すぐ捨てるべきです。

ホスピスでは
「もっと伴侶や家族、そして自分との時間を大切にすればよかった」
という声がとても多いとのこと。(※1)

「そんなのは成功してから言えることばろう」
企画や起業が落ち着くまでは
家族や睡眠や自分の時間は犠牲にしないと
成功しない。

という考えに対して
アリアナは、科学や事実を
検証して反論しています。

彼女自身が、
ハフィントンポストを立ち上げてからの
2年後に気を失って転倒。
その際に、頬骨を骨折する大怪我をしています。

そこで目が覚めた!
という経緯になりますが、
それ以前からアリアナのお母さんが
彼女の睡眠や成功の再定義に
大きく貢献していました。

その辺は、
アリアナ・ハフィントンの前著
『サード・メトリック』
書かれています。

 

アリアナ・ハフィントンは科学者では
ありませんが、多くの科学者に
会って話を聞いたり、自身で
研究しており、
原書注が1200件もあり、
翻訳者も呆れるほどです。

アンディー・ウォーホル、
ウォーレン・バフェット、
など多くの著名人たちの
言葉の引用も楽しめます。

しかし冒頭は、
それこそ目が醒めるような
ゴールドマン・サックスの
新人金融アナリストの
悲劇の紹介から始まります。

「あと少しだけ残って仕事をする」

と父と電話で話した数時間後に
住んでいた高層マンションから飛び降りて
死んでしまいます。

 

仕事で最高の結果を出したい、
のだとしても睡眠はものすごく大事。
それを知ってから
どうするかは個人の決定によるものですが
それを知らずにいるのは、
とてもとても残念で恐ろしいことだと思います。

山の危険を知って登山する人の遭難と
それを知らずに登山して遭難してしまう人の
差には、後悔の差し込む余地が大きくことなります。

だからまずは、
この本を適当に10ページほど
開いて読んでみることを
強くお勧めします。

注意:睡眠に適した温度について
16度から19度だという研究結果が紹介されています。
フランス、リール大学病院による研究です。
また全米睡眠財団では18度を推奨しています。
これは欧米人が対象だということを考慮したほうが良いでしょう。
体感温度がそもそも大きく異なっています。

エビデンスチェックは行っていませんが、
日本睡眠科学研究所によれば、

「温度については夏場は約25℃~26℃、
冬場約22℃~23℃、湿度については50%~60%が理想的である」

とのこと。自分で実験してみると
理想の温度がわかってくると思います。
しかし18度は、夏にやってみましたが
正直寒すぎます!

 

 

※1 中野信子『努力不要論』

(2018/10/18)