どうしたら楽しく生きられるのか?という自問はだいたい、この
チクセントミハイのフロー体験に行き着くのでは?
フロー体験なる怪しそうな言葉の意味は、「夢中になっちゃう」ということで、周りが見えなくなるほど没入することを指しています。
本書は、そのフロー体験とリーダーシップや仕事をどう関連づけたらいいだろうか?という視点から作り上げられたもの。
原題は、Good Business: Leadership, flow, and the Making of Meaning.
2003年の出版と少々古いですが、今尚支持されている概念です。
夢中になる、ということの重要性は、
Morten T. HansenのGreat at Work: How Top Performers Do Less, Work Better, and Achieve Moreの2章目のテーマに含まれる“obsess”にも通じるもので、ざっくり言えば、夢中になるってのは、楽しいし、成果にも結びつくようです。(章のタイトルはDo less, Then Obsessです。)
「ゾーンに入る」みたいな言い方のほうが今どきかもしれませんが、自我が消えていくような感覚で、気がついたらすごい時間が経っていたみたいなのが、このフロー体験です。
このフロー体験について、噛み砕いて照会している本にメンタリストDaiGoの『好きをお金に変える心理学』があります。実用的なので、ちらっと読むにはとても良い本だと思います。
戻って、本書についてですが、
仕事でうまくフローに入らない理由やリーダーシップなど、仕事に関連したフローを学べますが、それのみならず、人生全般に使えそうな知見も満載です。
フロー体験を求めるということは、どういうことかというと
新しいことへの挑戦というのことが常に繰り替える必要があるということです。
慣れちゃうとフローに必要な緊張感がなくなっちゃうからなんですが、
これってビジネスや人生の望ましい姿の示唆でもあったります。
わたしたちは、どんどん新しいことに挑戦して、人生を楽しむようにできているようです。
その仕組みを学べるところが本書のすごいところです。
どうせならということで他のチクセントミハイの本も読んでいこうと思います。
ところで、
「情報と秩序」のセザー・ヒダルゴの言説と通じるところが、本書には多々あります。
複雑さの肯定や、それイコールな話ですが、エントロピー増大への抵抗です。
合わせて読むと得心が加速するやもです。
大田 2019年118冊目