中田敦彦さんもYoutubeで取り上げた「やりたいこと」の見つけ方。
著者の八木仁平さんは、ツイッターでフォロワー2.6万人のこんな方。27歳。
https://twitter.com/yagijimpei?s=20
わかりやすいし、すごく「やりたいこと」とともに「生き方」の理解が進む。
進むんだけど、どこかで気持ちよくコミットできないものがありました。
言うほどシンプルじゃないのと、ロジックで構成することに拘泥することで発生している気がする盲点を感じる。
いやーこじつけかな。すごくためになるんだけど、かすかに肌に合わない。
それでもオススメはしたいし、自分でも何度か読み返すと思う。
買うならKindleより本が良さげ。Kindleだと図が見づらい。
大田 2020年246冊目(通算604冊)
日本の五千円札にも描かれている樋口一葉は24歳で亡くなっています。死因は肺結核。
医者でもあった森鴎外も尽力しようとしたが虚しく早逝するに至る。
墓地は築地本願寺。
生きるために小説家になろうとした樋口一葉。その描写の仔細で豊かなところは、代表作『たけくらべ』にはもちろん他の作品にも観られます。
『たけくらべ』は、吉原の近くにすむ14歳の少女が、僧侶の息子に恋をする話ですが、吉原などをふくめた当時の東京の風俗、生活の様子なども描かれています。樋口一葉は、1872年生まれ。1896年には死去。
大田 2020年245冊目(通算603冊)
久々に読みました。
デミアンは、最初、「エーミール・シンクレール」というタイトルで、またヘルマン・ヘッセの名前で出版されていませんでした。
ヘッセは、ドイツ生まれのスイスの作家。国籍は両方。詩も有名。その他の作品では『車輪の下』も有名。
『デミアン』は、1919年に発表されました。いじめに悩むシンクレールが、デミアンという不思議な少年にあい、カインとアベルを例に世界の常識を疑うこと、陰と陽をともに見ること、モラルの再構築を説いていく内容。
ヘッセはナイーブで、傷つきやすく、庭仕事で心を癒やしたと言われています。ユングの弟子たちにも助けられていたとか。庭については、こんな本も出しています。
わたしも今、これを読みながら庭仕事をしています。
ところで、この不思議な少年の強さ、怖さ、というテーマは普遍的で、他にもこんな作品があります。
マーク・トウェインの『不思議な少年』、アゴタ・クリストフの『悪童日記』
大田 2020年244冊目(通算602冊)
最近、妙に気になってきたので1冊読んでみた、ひろゆきさんの著書。
これを読むと、自分の行動で無駄だなぁと思うことをしているときに「それは無駄だよね」と笑われるような気がしてきます(笑)。
読んで得たものを実践してみて、いろいろ確認していみたい。とはいえ、冒頭にある財布もスマホも持たずに1週間外に出るってことはちょっとできそうにないです。
やってみたら人生変わりそうだけど。
大田 2020年243冊目(通算601冊)
『1984』や『動物農場』のジョージ・オーウェルの、意外にほのぼのとしたエッセイ集。
暖炉のこと、紅茶や料理のこと、手紙、ウクライナ版の『動物農場』のまえがきにみるオーウェルの考え。
軽快でも深く、密度ある内容。
物語の裏側をみるようなお得感。
くわえて、1925年ごろのイギリスの様子も伺えてさらにお得。
ヴェブレンの『有閑階級の理論』も連想。
大田 2020年242冊目(通算600冊)
「歳時記」とは、俳句の季題を分類、整理し、解説や例句をまとめたもので、「季寄せ」とも呼ぶものです。
こどもに向けての俳句の手ほどきとも言える本書は、俳句に疎い大人にとっても大いに有用で興味深い本でした。
知らない多くの季語、それをつかった子どもたちの俳句、それに名句をここに読むことができます。そして表紙や中面で使われるイラストは、亡き安西水丸さん。
エディトリアルデザインは今ひとつですが、季節をこのこども歳時記を通して再体験したり、追憶したり、感じたりできて良いです。何度も開いています。
大田 2020年241冊目(通算599冊)
コロナ禍に入って外食が減ったを良いことに、「外食したつもりの食材」を買うようになり、レシピ本を充実させていきました。
そのひとつがこれですが、タイトル通り「料理作る基本はある程度知っていることは前提にしている」内容。
「なに、そのひと手間、ふた手間?!」というところが楽しい。ナスの色を良くするためだけに焼きミョウバン買ったんですけど、これ他になにか使いみちあるのだろうか。
とまれ、すごく活躍しています。最高。
これを診ながら悪戦苦闘すると外食したとき、料理人たちの手間を知ることになります。
大田 2020年240冊目(通算598冊)
沢木耕太郎さんんおJR東日本車内誌「トランヴェール」の連載の単行本。
日本国内の紀行文。
しんみりする。
読むとなぜか元気がなくなっていく。沢木耕太郎が自分に比してちゃんとしているように見えるからか、旅への憧憬からか。
元気がなくなりたいときに読もうか。そんなときはない。
なぜかはぜんぜんわからないけれど、クリエイティブエージェンシーTUGBOATの創業者、岡康道を想起しました。
電車に乗りたくなります。
大田 2020年239冊目(通算597冊)
著者が圧倒的に勉強不足。
Amazonの評価の低さを参照すれば良かったかも。
大田 2020年238冊目(通算596冊)
Netflixでアニメを全部みて詳細をしりたくなり漫画を購入。
戦闘では「なぜか味方は死なず、敵は死ぬ」がデフォルトながら、ストーリーもプロットも非常におもしろい。しらけない。
漫画は少し読みにくい。アニメのほうが作画が丁寧。
先を読んで勝つ姿に影響を受けてチェスを始めました。
大田 2020年237冊目(通算595冊)
とても嫌い。
大田 2020年594冊目(通算236冊)
養老さんは、もうなんとなく好きで、ちょっと疲れたり、迷っているようなこころもちになったら、会いに行くおじいちゃん先生みたいなつもりで彼の著書を手にします。
この本を読んで、ちょっと感じ入るものがあったのは、まず養老さんが、冒頭から
自分がなんだか世間と折り合いが悪い
と述べているところでした。あの独立独歩、世間のことなど気にしないおちついた気配の養老孟司が、自分は世間と折り合いが悪いと考えていたなんて、となんだかホッとしたんです。それに感じ入ったわけではありませんが、養老さんが恋愛について触れているところも驚きました。
この本でいう「自分の壁」というものは、自分の世間とのズレのことでした。しかし逆説的にそのズレよりも、社会(他人)と共通の部分を探そうという話でした。それ以外にも、ズレからくるもの、共通していると思えるもの、から見えてくる自分の実態、世間の実態をひとつひとつ、手がかりをみせるように詳らかにしてくれています。
そんなわけで、なんとなく疲れたり、迷ったときなどに、おじいちゃんの話を聞くように養老さんのこの本を手に取ることをオススメします。
ショーペンハウエルが、『読書について』で、読書とは他人に考えてもらうこと、と述べていますので、読んだあとにはまた自分で考えることにしました。
大田 2020年593冊目(通算235冊)
「令和」に関係なく古本屋にあったので買って読んだ次第。
買ってから知ったのですが万葉集は、元来漢字だけで書かれたものなんですね。それをかな混じりにして読みやすくしたのが本書。
しかし昭和20年に出版されたものだけあって、それでもぜんぜん読みにくい。文字が活版なのか揺らいでいます。それがまたちょっといい具合です。
万葉集は130年くらいかけて集められた和歌集で、詠んだ人たちは天皇から無名の農民や防人まで。作者不明が4500首中2100もあります。そういう意味では昔の日本(7世紀後半から8世紀後半まで)は、わけへだてなく良いものを良いと評価していたのでしょうかね。
方言の研究にも使われているとか。なにせ日本に現存する最古の和歌集。
ぜんぶで20巻あります。旅の風情などを読む雑歌(ぞうか)、恋愛系の相聞歌(そうもんか)、死に関する挽歌(ばんか)の3つにカテゴリがわかれています。
よくわからないままでも読むと世界がかなり広がって気持ちがいい。そよ風や潮の香り、すすきの音、月のおとなど感じられる気がします。最高。
大田 2020年592冊目(通算234冊)
読んでみて思ったのは、これは関係者向けの本で、桑沢デザイン研究所の学生か関係者だけが読めば良いであろう本だろうということでした。
桑澤洋子さんという方は、第二次世界大戦前後から活躍していた日本の服飾デザイナーですが、ひろくデザインを研究するために 桑沢デザイン研究所を設立された方です。彼女の功績は、日本のデザインを大きく飛躍させましたし、深く掘り下げもしたのではないでしょうか。勝井三雄氏などの著名なデザイナーを教員に迎えて、多くのデザイナーが育つ環境を作りました。
ただ本書は、 桑澤洋子さん自身を掘り下げたもので、彼女の理念やそこから得られるかもしれない智慧などが得られるという感はほとんど感じませんでした。ゆえにオススメしません。
また本文の文字組みはとても読みやすいのですが、キャプションや柱などの文字は小さすぎて、読ませる気がなく、そのあたりにわたしがグラフィックデザイナーたちのおこがましさのようなものをよく感じる仔細で、嫌です。50代以上になるとさらにつらく感じるであろう文字の大きさです。美しく見えるようでいて、読み手を考えないデザインがわたしは嫌いです。
大田 2020年233冊目(通算591冊)
ひふみ投資の藤野英人氏の著書。投資についてぼんやり周辺の勉強をしたくて。
昨年9月に藤野氏の『投資家が「お金」よりも大切にしていること』を読みました。
今回の本書もおもしろくて、スリッパに履き替える企業の株価はあがらないとか、サラリーマン社長の会社は成長が期待できないなど、一個人の経験則(とはいえ6000人ちかく企業の経営者たちを見てきている)ですが、「そうかも」と思える、説得力の高い法則がいつくも紹介されています。
これは、投資家むけというよりもビジネスに関わる人すべてになんとなくだけで役に立つ知見なんじゃないでしょうか。
「会議室の時計が5分以上ずれている会社に投資をしてはいけない」や「晴れているのに傘立てに傘がいっぱいある会社は成長しない」など、なるほどなるほどと思いました。我が企業こととしても、気をつけたい。
大田 2020年232冊目(通算590冊)
読んでから知りましたが、著者のひとりハーバード大学のTeresa AmabileさんはTEDでこのプログレス法則について話をしていました。2011年。
これはゲーミフィケーションで利用している人間の性質とほとんど同じ部分を扱っています。またポジティブな情報が人々のやる気を引き出すことについて触れているターリ・シャロット博士の言説にも近いです。
この本の説は、シンプルで
人は前進していると感じると、それがたとえ嘘でもやる気が湧く
というもの。たとえば数字が無意味に上昇しても人は生産性を向上させます。
そして前進していると感じさせるのに有効なのが小さな勝利。たとえば一番やらなきゃいけないことに1日最低20分使うなど。そしてその前進を記録するのもよい。
アカウンタビリティチャートとか使えそうです。
わたしは日々自分の成長に必要な行為に点数をつけて記録しています。Excelに。現在レベルは152です。だれもしらないレベルですが(笑)。やりたくないことは3分くらいから始めるとスタートできて良いです。まさに小さな勝利。ちなみにこの読書レビューは1つにつき現在5ポイント獲得できます。
大田 2020年231冊目(通算589冊)
西田幾多郎氏とは同級生の鈴木大拙氏の著書というか訳書。原本は、「Zen Buddhism and its Influence on Japanese Culture」というもので英語で書かれたもの。
がゆえに、元来、諸外国に向けて、日本文化とそこに関わる禅というものを紹介するのが目的の著書です。
鈴木大拙氏は、1870年生まれ、1966年に死去。享年95歳。長生き。西田幾多郎氏とともに石川県の出身。聖路加病院で亡くなっています。
1911年に結婚。相手は、アメリカ人のBeatrice Lane氏。
西田幾多郎氏が亡くなったときに、鈴木大拙氏は、遺骸を前に号泣したそうです。
禅とはなにか?ということを知るには良い書なのは確かなんですが、すんなりとはわからないです。
ただ、ロジックから離れて、美は醜であり、醜は美である、というシェイクスピアの引用をしつつ、汝は我であり、我は汝である、という言葉から少しずつ体感していけそうなのは、西田幾多郎も描くのが好きだった円相図のような世界観。
ユングやハイデッカーとも交流のあったグローバルな仏教学者。
大田 2020年230冊目(通算588冊)
ネット上での炎上は、解決し難い問題ですが、その本質について学究的に迫った知見は少ないかもしれません。
本書では、定量的にこの問題の実像を明らかにしようとしたアプローチと結果が紹介されています。
結果は意外なもので、ネット上での炎上に関わっているのは、(そしてそのままネトウヨ(ネット上の右翼)にもほとんど当てはまる)ユーザーのうちのごく少数、1%ちょっとくらいの割合だということ。
くわえて、炎上に参加している人物像が、若い男性で高所得者(ネトウヨの調査では年収800万円以上)で既婚者で子どもがいる、というものでした。
わたしたちが思い込みで描いていた人物像と大きく異なっているのではないでしょうか。
その他、ネット炎上についての研究とその研究方法について解説もしています。
出版は2016年。
大田 2020年229冊目(通算587冊)
1870年生まれの日本の哲学者、西田幾多郎の哲学の思想書。もともとは『純粋経験と実在』というタイトルだったのですが、出版社が反対し『善の研究』になりました。
出版は1911年。第一次世界大戦前。
おもしろいことに読んでみても「わかった!!こういうことだ!」という理解には至らず、なんとなくなんとなく考え方が変容する刺激でした。
わたしの好きな言葉にラテン語でCredo quia absurdumというものがあるのですが、「不条理故にわれ信ずる」という意味で、キリスト教関連のものなんですが、それを思い出しました。
本書のテーマは純粋経験というものですが、普遍的なもの対して個にフォーカスを向けたものです。他の西洋哲学の知識を前提とした話もありますが、ぼんやり読んでいると西田幾多郎氏が円を描くことを(円相図)好んでいたこともなんとなく納得していくものがあり、それが何かというとロジックを超えるものが、まわりまわって自分という意識にあるという考えで、じゃあそれなんだろう?という探求であもります。
わたしのロジック以上に非ロジックが大事であるという考えにだんだん傾倒していく追い風や土台になっている気がします。
西田幾多郎氏が禅に打ち込むようになったのは高校の同級生の鈴木大拙氏の影響。
ところで西田幾多郎氏も鎌倉で亡くなっています。研究者や哲学者、文筆家のおおくが鎌倉で暮らしていたようです。辛いときにはよく海にでかけて心を静めていたとか。
大田 2020年228冊目(通算586冊)
弊社でデザインを担当している数学問題集にも執筆されている著者、小島寛之氏の渾身の文庫本。
小島さんの文体も姿勢も誠実で、コツコツと進化していく様子も伺えて、好きです。
無限をテーマにしたいくつものは話を通して、数学における無限の面白さを紹介してくています。
著者の小島さんは、ケインズ経済学に詳しい。ケインジアンに憧れ、10数年を経てケインジアンになり、この著書の元になった書籍を大きくグレードアップしています。
わかりやすくはなっているもの、数学にうといとついてくのがなかなかしんどい内容です。
それでもおもしろい。
よりわかりやすく、身近なテーマから数学に近づいていくには、桜井進氏の『雪月花の数学』をオススメします。こちらは日本の美のなか(たとえば俳句や浮世絵)にみる数学(和算)について詳らかにしてくれています。
一方で、ロマンある数学の世界を覗くには、フェルマーの最終定理についての物語もオススメ。
大田 2020年227冊目(通算585冊)