「令和」に関係なく古本屋にあったので買って読んだ次第。
買ってから知ったのですが万葉集は、元来漢字だけで書かれたものなんですね。それをかな混じりにして読みやすくしたのが本書。
しかし昭和20年に出版されたものだけあって、それでもぜんぜん読みにくい。文字が活版なのか揺らいでいます。それがまたちょっといい具合です。
万葉集は130年くらいかけて集められた和歌集で、詠んだ人たちは天皇から無名の農民や防人まで。作者不明が4500首中2100もあります。そういう意味では昔の日本(7世紀後半から8世紀後半まで)は、わけへだてなく良いものを良いと評価していたのでしょうかね。
方言の研究にも使われているとか。なにせ日本に現存する最古の和歌集。
ぜんぶで20巻あります。旅の風情などを読む雑歌(ぞうか)、恋愛系の相聞歌(そうもんか)、死に関する挽歌(ばんか)の3つにカテゴリがわかれています。
よくわからないままでも読むと世界がかなり広がって気持ちがいい。そよ風や潮の香り、すすきの音、月のおとなど感じられる気がします。最高。
大田 2020年592冊目(通算234冊)