清水俊二さんの翻訳では数回読んでいた(英語原文ではまだ読んでいない)のだけれど、その翻訳は随分古いことと原文を省略している箇所がいくつかあるということだったので、村上春樹さんの翻訳で読み直してみた。いくぶん「いささか」という言葉を誰しもが使いすぎている感はあるが、心地よく読めたし、省略された箇所もちゃんと「復活」していて、これから読むならこちら側をおすすめしたい。
チャンドラーに関しては、これや「プレイバック」などは、すでに古典文学の域にあるものなので、「大いなる眠り」も含めて、教養として読んでおく必要があるのではないかと考えている。とは言え、読むべきに思うシェークスピアすらまだちゃんと読み終えていないので、居丈高には言えず、「だと思うんですけどねー」という逃げの気配で、そう言っているつもり。
訳者による巻末のあとがきでは、チャンドラーについてなどいろいろと知りたかったことが書かれているので、読み終えたところ水を差すような長文だが、読まれたいので、読了まえにチラチラと読み進めておくのも有りではないかしら。