ギリギリオススめ。
その理由は、
読みにくい!
タイトルから、開いた感じの読みやすさを期待するも、バリバリ難解というか閉じた筆致で、分かりづらいわ読みづらいわ。
でも、得るものがある!
脳は、アルゴリズムやん!
ってことを前提にするけど、感情(快感)って、人を動かすやん。
動かす力を動因というけれど、この本では「意欲」という言葉が使われている。
意欲を形成するのは、感情だけれど、一番強い感情って愛。
愛の定義には、渡辺裕子の『自分を愛するために』を引用。
愛とは人との関わりを求め、人の存在をそのまま受け入れるための価値の尺度ということになる。そしてわれわれは、愛をもつためには、自分自身が愛を受けた経験をもってそれを学習し、脳内にそうした回路を形成していかなくてはならない(渡辺裕子著『「自分」を愛するために』、いのちのことば社、一九九三年を参照されたい)。
科学と宗教の関係にも言及。
これを読んだ上でダン・ブラウンの『オリジン』を読むとおもしろいかも。
バイオリンの習得のエピソードが秀逸!
優れたバイオリニストを数多く育てられたことで知られる鈴木慎一氏は、優れたバイオリニストを育てる方法として次のように述べられている(鈴木慎一著『愛に生きる』、講談社、一九六六年)。すなわち、バイオリンを習いたいといってきた子供たちに、最初からバイオリンをもたせることはしない。まずはその親に、一曲弾けるようになるまで指導するのだそうだ。この間、子供には家庭でバイオリンのレコードを聞かせるのである。そうして親が弾けるようになってくると、子供にとってはバイオリンのある環境が自然なものとなる。そしてそのうちに「自分もバイオリンを習いたい」という意欲が自然と沸いてくる。そうしたときに、はじめてバイオリンをもたせるのだそうだ。 普通の子供は、自分からバイオリンをやりたいとはなかなか思わないものである。一般的には、「親に言われて」ということが多いだろう。そうした子供に無理やりバイオリンを持たせても、決して上達しない。自分から弾きたいという気持ちにさせること、意欲をもたせることが、熟達への第一歩だというのである。鈴木氏の話は、脳がある目的に価値を認め、意欲をもつことによって学習性を高めるという脳の特性とよく合致している。
感情、動因をコンセプト以前に重視することにした。
大田2020年1冊目