どうしてKindleにないかなーって残念に思う。その理由は、
この本、なんとなくキャンプしているときとか旅先で読みたいなと思ったから。
生命の存在理由については、わたしはユヴァル・ノア・ハラリさんの『ホモデウス』とダン・ブラウンさんの『オリジン』で、なんとなく、「エントロピーの増大のなかのアルゴリズム」という結論を仮に出していました。『オリジン』は、フィクションですが、なんとなくなっとくのいく(検証する気のない)「仮説」でした。
長谷川 英祐さんの
アリに関する本を読んで、もろもろと達観できるようになったのですが(悪の存在意義とか)、悪(というかフリーライダーとかチーター)の存在によって滅びるコロニーとそうではない、永らえるコロニーがあって、その無数のトライアルの連鎖が、種はエコシステムを長期的に発展させ続けていると思っていたのですが、この滅びたり、永らえたりという消えたり増えたり、壊したり、作ったり、というゆらぎのあるバランスを
動的平衡
という言うし、そうやってまるっと捉えられる、ということをこの本で知りました。
書、全体的には徹底したミクロな視点なんですが、そしてミクロすぎるがゆえに、盲点も多く感じるのですが、結論ばかり欲しがってきたわたしには、研究者のこうした視点は新鮮でした。
また、追加した章が、ダイナミックにマクロな視点に写っていきます。この福岡さんの「動的平衡」というテーマは、一過性のものじゃなくってライフワークみたいなテーマで、常に進化しているんだろうなぁと感じるのは、同じテーマで、2、3と続編を出し続けているから。
専門的な話や言葉が多数でてきますが、ぼんやり読んで、なんとなく思うことがあれば、とりあえず良いのではないでしょうか。
コミットする!とは思わないけど、多くの示唆を得られて、それは、まるで宝の島へ向かって直接指し示してはくれないが、ヒントだったりいっぱい示してくれる羅針盤みたいでした。
大田 2019年168冊目
(2019/10/23)