日本で初めてのハーブ農園と言われている、鹿児島・指宿市の「開聞山麓香料園」。九州最南端の地に広大なハーブ園があり、日本ではここにしかないハーブが何種類もあることを、どれだけの日本人が知っているだろうか。
著者は先代の園長を父に持つ、現園長の宮崎泰氏。幼い頃からハーブに囲まれて育ち、東京大学のアンデス調査団員として9年間をペルーで過ごした経験から、帰国後は開聞山麓香料園の園長として活躍している。
急ぎで作られた本なのか、文章が決して滑らかではなく、誤字もちらほら見受けられる。それだけに、ゴーストライターが書いたのではない著者の生の声が聞こえてくる。ペルーでの見慣れぬ食べ物やハーブに対しても、好奇心いっぱいで接している著者の笑顔が浮かぶようだ。ハーブだけでなく、ペルーの食文化に興味を持つ人にとってお勧めしたい一冊である。