羽生善治氏と各界の著名人の対談本。天才と称された棋士の「決断力」について知りたくて読み始めた。
「対局中は論理的に考えない」「情報は選ぶより捨てる」という発想は、対談の中で二宮清純氏が語っていた「天才は、二進法で考える」という言葉に集約されているように思う。体力と気力の充実、情報の選択と判断、そして感性を磨くこと。斬新に見える発想には、意外なほどシンプルで論理的な裏付けがあるのだと気付かされた。この本の中で、具体的にすぐ自分の生活に落とせるアイデアは少ないかもしれない。でも、考え方のベースとして知っておくことで、自分の中の「勝負勘」が今後養われることを期待したい。