デザインクオリティが決して高くない表紙や版面ではあるが、中身は意外にアカデミック且つわかりやすい。デザイン知識としては必須である色彩心理の基礎知識を学習するのにも良いし、また暮らしの中にも役立てる知識も含んでいるので、一読されたい。
先日、秋の山奥でキャンプをしたのだけれど、道中、紅葉始まる山を背景に収穫後の畑が広がっていて、全体的にまだ彩度の低い光景を目にしたのだけれど、1本柿の木があり、実がたわわに実っており、その橙色がものすごく秋空のもと、鮮やかに目に写った。私たち、人間が200万年という歴史の中で形成してきた色に対しての印象というものがどういうものか想像が及び広がった。
シンボルマークやパッケージなどのデザイン考案にも必要な知識だが、どのような色がどのような印象をあたえるのか、という基本的な知識があると世界を見て感じるものが奥深くなると思う。