「読了」する本でなくて、習得する本。
佐藤優さんが「読書の技法」で紹介している「テクネー」のたぐいの知見。
ややこしいかもですが、この著書では、佐藤さんは立花隆さんからの引用でテクネーを説明されています。
のちほど引用を紹介します。
ちなみにすごくわかりやすい。
身につけるの面倒だなぁと思うも、
考えてみると、読書とは読んだ本の数が、そのままイコール レベルアップになるわけでなく、
読後のコンバージョンがあってはじめて成長を保証する。
数じゃなくて変化。
多読の上に自尊を置くとグラグラとしていずれ倒れる。
さてテクネーの引用です。
これらの勉強は、体で覚える技術(ギリシア語でいうテクネー)の要素があるからだ。テクネーについて、立花隆氏は『東大生はバカになったか 知的亡国論+現代教養論』(文春文庫) の中でこう述べている。知識が頭で覚えるものであるのに対し、テクネーは体に覚えこませるものです。知識は講壇講義で教えられますが、テクネーは講義だけでは教えられません。実習が必要です。実習を繰り返して体に覚えこませることが必要です。体で覚えたことは、頭で覚える知識とは、脳の別の記憶システムを使って、脳の別の場所にしまいこまれます。頭で覚える知識は、陳述記憶といって、内容を言語化することが可能な記憶です。それに対して、体で覚えるテクネーは、非陳述記憶で、そのエッセンス部分は言語化することができません。
(立花隆『東大生はバカになったか 知的亡国論 + 現代教養論』文春文庫、300ページ)