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不倫
中野信子

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  • ジャンル:
    自然科学・哲学
  • 読了時間:
    1時間
  • 形態:
    Kindle
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 評価:
    オススメ

不倫という切り口から、
偏見を排除した愛情を介した
人と人の関わりの本質を
丁寧に解説してくれている本です。

「どうして不倫をするのか」、
「どうして不倫は強くバッシングされるのか」

ということについても知れますが、
それ以外にも、欧米とアジア圏とで
行動傾向の違いが、遺伝子的な違い
を基にしているということについても
知ることができます。

具体的に言うと
セロトニンという脳内伝達物質があります。
これは生体リズム、睡眠、体温調節などに
関与する物質であり、
また新奇なものに対する積極性を高める
力もあります。

よってセロトニンが少ないと
積極性がなくなり、
うつ病や食欲、性欲の減退などが
引き起こされます。

体内のセロトニンの量を調節しているのが
「セロトニントランスポーター」というタンパク質で
この機能を決める遺伝子が2種類あります。

S型とL型で、L型だとセロトニンが減少しづらく、
S型だと減少しやすい。

両親からともにL型を受け継ぐとLL型となり、
セロトニンが減少しづらいため、楽観的で野心的な性格になります。

一方、S型を2つ持っていると
セロトニンが減少しやすく、不安を感じやすい。

アメリカ人はLL型が多くて30%、
日本人はSS型が多くて65%。

Youtubeで
高いビルに命綱なしで登ったり、
失敗したら大変なことになりそうな
発明品を作ったりする、
むちゃくちゃな行動をする欧米人が
多いのは、
そしてアジア人には少ないのは
こうしたセロトニントランスポーターの
違いから来ているかもしれません。

外交にもその違いが
関与しているかもしれません。

 

その他にも
恋愛の体質にある3種の型があることについて
知ることができます。

総論として、
不倫の有り様を知る以上に
自分自身の恋愛や夫婦関係、
子どもの教育について
有益な知識を
多く得られる内容です。

例えば、出産後
すぐに母親の胸のうえで
赤ちゃんを抱っこしたり
哺乳させたりする
「カンガルーケア」が
近年欧米でも推奨されています。

抱擁やセックスが
生み出すオキシトシンが
愛情を形成し、
抗ストレス作用を効果を
生むということを
知っておくことは
夫婦間のみならず、
親子間においても
重要な知見でしょう。

そういったわけで
不倫に興味がある方のみならず、
万人にお薦めしたい本です。

 

 

(2018/08/13)