平松洋子さん、宇能鴻一郎氏の他に、こんなに楽しい食のエッセイに出会えて僥倖。
阿川佐和子さんが雑誌『クロワッサン』で連載されているとエッセイ集で、Vol.3まで続いています。
これはその1冊目で、2007年頃の連載。
ヨハネス・ブラームスのエピソードのなかに、反目していたアントン・ブルックナーと行きつけの店である「赤いハリネズミ」というレストランで、一緒に食事をして、ともに肉団子が好きだということがわかり、仲良くなった(かどうかまではしらないが、意気投合はしたみたい)というものがあるのだけれど、それを知っても思ったが、食を通して、人生がより良くなることというのはとても多い。
食事ほど問答無用に、幸福にリーチすることが可能な手段ってないんじゃないかしら。(けだし、幸福はそんなに難しいものではないけれど。)
どこで開いても、楽しいし、軽い筆致だし、kindleで持ち歩けば、いつだって楽しくなれる本でした。
大田 2020年31冊目