色々なところで聞くようになったUX。ネットで拾い読みではなくちゃんと本を読もうと思って3冊ほど購入、その1冊目。
UXは書籍で教わるものではなく自分で経験して自分なりに体得するしかない、という自己矛盾的な言及に強く納得。本書を読んでも考え方はわかるが、経験しないと身につかない。(かといって本書が無駄かというとそんなことは全くない)
UXのカバーする広さに驚く。本書内にも書かれているようにUXは「ユーザーあるところ全て」に発生するので、限定された業界、職種のものではない。
自分に近しい範囲で「UXデザイナー」として考えると、
・マーケッターからのUXデザイナー
・デザイナーからのUXデザイナー
・エンジニアからのUXデザイナー
など、どこからも到達できるし、逆に言うと誰しもが持たなければいけない概念であると感じた。
また、企業に所属するデザイナーやエンジニアの悩みのひとつとしてよく聞く「マネージャーになるか?プレイヤーであり続けるか?」という二者択一になりがちなキャリア形成の考え方から脱却し、UXデザイナーとしてプレイヤーでいる、ということは、マネージャーになることに抵抗のあるプレイヤーにとってひとつの選択肢になるかもしれない。
もちろん、これまで通りただ手を動かしてればいいのではなく、大局的な思考力が必要になるが、それはマネジメントとはまた別の能力であり、デザイナーのキャリアアップとしては今後大きな選択肢になるだろう。
最近ネットで話題になっていた国内外のデザイナー給与格差問題も、海外はデザイナーの中でもUXデザイナーの受け持つ範囲が広いが故に高い給与を獲得できているのではないかと思った。
話が随分それましたが、この本はわかりやすかったです。同時に、あと何冊か読んで自分でも手を動かしてUXのスキルを高められるよう努めます。