2月にも紹介した漫画『Blue Giant Supreme』の9巻目。
若いジャズプレイヤーが、
才能があることよりも、前に進んでいく姿に、作中の多くの人たちが共感していくということが気持ちの良い物語。
この世界には、気持ちの良い全力投球の姿がある。
気持ちの良くない全力投球というのもあって、それは
必死であることが生きている意義
という思想のもとで行われるもの。
そういう全力投球をテーマにした漫画もあり、以前は好きでした。
ただ、長い間「望ましい必死」を研究してきた結果、わたしは今、必死についてこう考えています。
苦しまなければいけないってことはない。全力で愉しめばいい。
才能にも人生にも、さして意味はありません。運がいい人もいれば、悪い人もいる。
死滅するコロニーもあれば、生きながらえるコロニーもある。
才能というのもあって、才能のないことに全力を尽くしてもさして報われない。しかし、やりたいことを実現するためには、手段は無数にあるので、自分の才能にあった手段を選べば良い。
案の定という言い方は、ヤラシイが、苦しみを必要条件と考える必死をテーマにした作品は、消えていくことが多い。漫画なら連載が中断したり、たち消えたりする。それを非難したいわけではない。ただ、愉しんだ方いいよなぁという思いに確信を持つ。
ブルージャイアントシュプリームだって、作り話だし、現実世界とのギャップは多かれ少なかれあります。
ただ、ここから抽象できることは、現実世界でも通用するのではないかと思っています。それはなにか。
愉しめる必死ってのがあるぞ
と。それを見つけるのが、楽しみです。
大田 2019年173冊目(漫画だけど、カウントします)