サマセット・モームの1930 年に出版された長編小説。原題は「Cakes and Ale」。
タイトルはかわいいし、読みやすいし、面白いのだけれど、なんとなく意地が悪い。サマセット・モームは、わたしは「なんとなく意地が悪い」という印象の作家なのですが、本書でその印象が強化されました。
サマセット・モームは、10歳で孤児となり、そこから医者になり、軍医、そして諜報部員になるという波瀾万丈な人生を歩んだイギリス人。
1874年〜1965年という時代に生き、91歳で死去なので長生きでした。
Wikipediaを参照するとサマセット・モームは、
「自分は批評家たちから、20代では残忍、30代では軽薄、40代では皮肉、50代では達者、現在60代では皮相と評されている」
と自分の人生について語られていることを述べていました。
マーク・トウェインといい、人生が無意味なことをそう嘆かなくてもいいじゃないかというのがわたしの思うところ。
大田 2020年209冊目(通算567冊)