わたしが仲良くなってきた人には、なぜかカミュ好きが多い。
これもまた十年近く前に友人に借りた本で、借りていた本故に
読まずとも引っ越しの淘汰を生き残って未だに本棚にあったので
手に取った。
しかしすでに『異邦人』を読んでいたので
いくぶん手に取りやすかった。
ローマ皇帝の何人かが異常な暴君であったのは
水道に使われていた鉛が原因だったかもしれない
と何かで読んだことがあった。それも思い出した。
『誤解』は、
わたしがずっとサプライズが嫌いな理由の典型
(というより古典か)
で、
すれ違いが作る悲劇である。
陰気臭いのに、なぜかするすると読めた。
しかし本当はもう少し気軽な娯楽のためだけの小説を読みたい。