最近、絵本をよく読むのですが、感心するのが、
絵本のいくつかは、さして教訓めいたことを言うわけでも、何かがばっちり起こってドタバタするわけでもないのに、心に何が小石のような思いが生まれて置かれる、そういう話を作り出すところです。
あれは、どういうことなんだろう、といつも思います。
さて、この絵本ですが、村上春樹さんが気に入ったので、翻訳しちゃったので日本でも出版してみた、という気配がありますが、それに関係なく、楽しめる絵本です。話も絵も素敵なんですが、何がおもしろいかというと絵の細かな描写です。
翻訳者の解説にもありますが、不要な手紙は、郵便受けの横に便器が置かれていて、そこにジャンクメールというサインが付けられていて、広告やDMはそこに入れてくれ、という主人公のおじいさんの性格が表現されています。またポーチの横にはバスタブを鉢に、野菜(ポテト!)が植えられています。それが季節によってもう枯れていたり、青々と茂っていたりします。
お話と一緒にそういうのも楽しめます。
大田 2019年132冊目