中身のみならず、見た目を鍛える必要があることが
日本のビジネスシーンでも浸透しつつありますが、
この本では、その身につけた方を奥深い教養として教示してくれます。
参考図書の広く深い選定や映画などの紹介の仕方からも著者自身が小手先だけのものではなく、教養としての見た目の作り方を研究し続けてきた軌跡が見えるようです。
この本では、アピアランスを「身だしなみ」「服装」「振る舞い」の3つのカテゴリにわけています。
「海外ではこれが常識」ということの伝達してすませる内容でなくて、「なぜこれが大事なのか」ということをちゃんと説明してくれています。
お金をかければいいわけでもないことなどを含めて、これを読むとすぐに実践できることが多々あるので、
言い逃れできない鞭撻を感じます(笑)。
「教養」というものを、清く生きる知性として捉えているのか、気持ちの良い文体でもあります。
著者の幅広い知識と経験は、それに触れるだけでも楽しいものでした。
中野香織さんの『ダンディズムの系譜』(※)にも出てくるボー・ブランメルの話もちらっと出てきます。