空間デザインに関わらない人には、専門的な話が多すぎるかもしれないけれど、それでもたぶん自分が接することのある世界の裏側を知れて得るものがあり、得た結果、人生が変わるのではないかと私は思う。
例えば、六本木ヒルズや東京国際フォーラムなど。その照明デザインに関わる面出薫さんが、行政や規約と戦い、快適な照明デザインを敢行していることを知れば、光のリテラシーが、比較的低い(明治以降そうなったんじゃないかな。それこそ谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』がそれを象徴している)我々日本人の生活も向上するかも。
照明の話なのに、ダークライトとか闇のライトアップなど、逆説的な表現が多い。闇の大切さは、光の大切さを成立させるのみならず、自然へのアプローチでもあるから。
わたしは、月に一度、森に一人でキャンプをして過ごしているのですが、闇の深さや月明かりの強烈な明るさを何度も体験しています。
その体験は、都会での生活にも大きく影響しています。どう影響するのかといえば、それは「不自然なものをこれは不自然だとわかること」。
大田 2020年34冊目